発達には段階があり、各段階に応じて成立する原理が存在する。ここでは、乳児期から青年期を中心にジャーシルドの考え方に基づく発達原理について述べる。
様々な機能が発達しようとするときその機能を自発的に使用する傾向が見られる。運動発達の面で見ると、乳児期に急速に発達し特に立ったり、座ったり、歩いたりといった基本動作が確立すると、ほとんどじっとしていることなくあちこち動き回っている。用もなく歩き回るのは自分が歩行できることに満足感を覚えるので、強制されなくとも実行するのである。機能や能力の自発的使用はそれを使用する活動に熱中することにつながる。その活動が完全に習得されると次第に熱がさめ、次の活動に移行するかあるいはより大きな行動の中に組み込まれていくのである。上記の歩行の例でいえば、歩き始めのころは用もなく歩き回ることも多いが、やがて移動手段の使用に過ぎなくなる。また、ピアジェの認識の発達段階における前操作段階(主に幼児期にあたる)から具体的操作段階(主に児童期にあたる)に移行する途中では、保存課題を確認するためには容積の異なる容器を並べてある一定量の液体を何度も移し変える。この段階を経ると活動の内面化が可能なのでこのような行動はしなくなる。また、同じ行動をするのでも反復することによってそれぞれの発達課題において修正される傾向がある。道徳判断が発達する段階で、他人を殴った時に、コールバーグによると前慣習的水準では単に苦痛と罰を避けるために大人の言うことを聞くに過ぎないが、慣習的水準に達すると他者を喜ばせ助けるために振舞うようになり、集団や社会の一員として承認を得るために自らむやみに他人を殴ったりしなくなるのである。
子供は時には新しく環境が変わっても以前の行動様式に固執することがある。
発達には段階があり、各段階に応じて成立する原理が存在する。ここでは、乳児期から青年期を中心にジャーシルドの考え方に基づく発達原理について述べる。
様々な機能が発達しようとするときその機能を自発的に使用する傾向が見られる。運動発達の面で見ると、乳児期に急速に発達し特に立ったり、座ったり、歩いたりといった基本動作が確立すると、ほとんどじっとしていることなくあちこち動き回っている。用もなく歩き回るのは自分が歩行できることに満足感を覚えるので、強制されなくとも実行するのである。機能や能力の自発的使用はそれを使用する活動に熱中することにつながる。その活動が完全に習得されると次第に熱がさめ、次の活動に...