はじめに
2002年7月、日本政府は「知的財産」戦略を公表した。その目的は、知的財産で経済を活性化する国興しを行い、知財立国を進める事にあった。このような政府の対応からも察せられるように昨今では知的財産の重要性は高まりを見せている。
そしてまた昨今では知的財産が侵害される事件が多発している。特にアジアにおける偽ブランド品などの模造品は知的財産を保有する企業にとって多大な損害を与え、問題となっている。このような被害によって、知的財産の保護が叫ばれ、重要視されているという側面も指摘する事ができるだろう。
この論文では知的財産の定義を明らかにした上で、まず実際に二輪業界の企業が侵害を受けた時の対策を実例として取り上げていく事とする。そしてその効果に対する評価を行い、これからの知的財産侵害への対策について模索していくものとする。
知的財産権の定義とは
知的財産権とは、物品に対し個別に認められる所有権(財産権)のことではなく、無形のもの、特に思索による成果・業績を認めその表現や技術などの功績と権益を保証するために与えられる財産権のこと、とされている。
知的財産基本法(平成14年法律第122号)第2条によれば、以下のように定義されている。
・この法律で「知的財産」とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいう。
・この法律で「知的財産権」とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益に係る権利をいう。(注:判例におけるパブリシティ権等も含まれる。)
2005年1月29日
知的財産権侵害に対する企業の対策
はじめに
2002年7月、日本政府は「知的財産」戦略を公表した。その目的は、知的財産で経済を活性化する国興しを行い、知財立国を進める事にあった。このような政府の対応からも察せられるように昨今では知的財産の重要性は高まりを見せている。
そしてまた昨今では知的財産が侵害される事件が多発している。特にアジアにおける偽ブランド品などの模造品は知的財産を保有する企業にとって多大な損害を与え、問題となっている。このような被害によって、知的財産の保護が叫ばれ、重要視されているという側面も指摘する事ができるだろう。
この論文では知的財産の定義を明らかにした上で、まず実際に二輪業界の企業が侵害を受けた時の対策を実例として取り上げていく事とする。そしてその効果に対する評価を行い、これからの知的財産侵害への対策について模索していくものとする。
知的財産権の定義とは
知的財産権とは、物品に対し個別に認められる所有権(財産権)のことではなく、無形のもの、特に思索による成果・業績を認めその表現や技術などの功績と権益を保証するために与えられる財産権の...