連関資料 :: 同調行動

資料:2件

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  • 序論 人は社会の中で生活する中で必ず、家族、学校、地域などの集団に属し、多くの人達と社会生活を営んでいる。 多くの集団には、こうすべき、こうしてはならないといった集団の成員に対する標準や期待がそなわっており、集団に参加した個人はこれらに従うことが求められる。この、他者あるいは集団が提示する標準や期待を規範と呼ぶ。 規範は明文化されている法律などの明白な規範もあれば、されていない暗黙の規範(慣例や習慣など)もあり、集団に属する時点でそれへ従うことを求められる場合もある。規範を守ることは規範逸脱者への制裁や排除・除名と対になっているのだから、当然ながらその集団へ属する動機付けが強い者ほどそれを守る傾向が強く、その逆もいえるだろう。集団の規範は集団を存続させ、人をまとめる力となるものである。これを集団規範と呼ぶ。 では、その中で集団は、個人へ直接または間接的に自分の意識、考え、態度、行動などに非常に大きな影響を与えていると考えられないだろうか。 一般的に、集団はその成員に対して同質性をもとめるような斉一化の力をおよぼしてくる。集団に同調するように圧力がかかることを斉一化の圧力というが、私たちの身近なものを例にとれば、良くも悪くも学校がその例だ。 現在社会問題化している「いじめ」。クラスメートからの「しかと(無視)」がそれをされる生徒にとってじゅうぶん「いじめ」になることからも分かるように、ある集団に所属する個人にとって、ほかの集団成員のしめす態度や言動の影響はきわめて大きいといえる。先にも記述した通り集団規範からの逸脱が排除や仲間外れをまねくことは言わずともしれている。また、集団の中で目立ちすぎることも、ほかの成員からなんらかの制裁をまねきやすいのだ。見方をかえれば、これは個人の信念や態度や行動を集団の基準に合致させる方向に圧力がくわわっているということである。そのような圧力のもとで個人が信念や態度や行動を集団の基準の方向に変化させることを同調という。要するに、集団内では「右へならえ」の行動が起きやすいということである。 この斉一化の力は規範的な力をおびている為、人にはそれがひとつの集団圧力として経験され、これは集団から個人へのいじめに見るように、それに対抗するのは難しい。とくに全体が斉一的な判断をしめす場合に、ひとりだけほかと異なる判断や意見をもったり行動したりすることは困難である。このことは、後にしめすアッシュの集団圧力に関する実験結果にみることができる。 アッシュは集団圧力下における同調行動を、次のような実験をとおして明らかにした。彼は、線分の長さが同じか違うかの判断を求めるというふれこみで被験者を集め、標準刺激と同じ長さの線分と、それより長い、あるいは短い線分を次々に提示し、被験者に標準刺激と同じか、違うかを答えさせた。この時、被験者は8人いたが、そのうち7人はサクラで真の被験者は1人だけであった。サクラは実験者のだすサインにしたがって、全員そろって実際とはちがう長さの判断をくだすことを事前にきめてあった。 このような状況下で次々に長さの判断をさせていくと、真の被験者はサクラの一致した判断(真実とはちがう判断)の圧力に屈してしまい、最終的には自分の判断をほかの被験者(実はサクラである)の答えに同調させてしまった。この簡単な実験は、集団圧力がいかに容易に個人の同調行動を促すかをしめしている。 この同調にはいくつか種類があり、上の例のように、自分のくだす判断を「ただしい」とは思わないままに周囲に同調する場合を「追従」という。これは他から罰や制裁をう
  • 同調行動 集団規範 斉一化の圧力
  • 全体公開 2007/11/09
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