1.はじめに
何年後かには図書館員の仕事がしたいということを知人や家族に言うと、大体同じような感想が返ってくる。「それは楽そうでいいね」「暇な仕事だろうね」「9時5時で残業なしでしょう」など、揃って楽な仕事というイメージを持っているようである。また図書館についての文献を読む中でも、全体的に図書館職員の職務に対する向上心やサービス精神が低いというような内容が随所に書かれていることに気づく。私が図書館を訪れる限りでは、比較的日常業務に追われて忙しそうに感じるのであるが、それは、職務において理想と現実のギャップが大きく存在するということなのであろうか。
では、図書館職員に本当に求められている役割とは一体どのようなものであるのだろうか。本論では、図書館員の果たすべき役割、そして今後求められる役割について書いていく。
2.図書館は誰のもの
図書館は誰のものか。それは、市民のものだと言い切れる。子どもたちには読書の喜び、楽しさを知る権利があり、社会人や、町に住むすべてのひとには、仕事や生活をするうえで必要な情報を手に入れる権利がある。またその権利は、生涯、どのような人にも保証されるものである。
「図書館がどれだけ豊富な蔵書を有していても、そこに優秀で、利用者の要求を的確に捉え、親身なサービスを展開してくれる図書館員がいなければ、利用者にとって決して使いやすい図書館とはいえない。」(高鷲:図書館概論p73)とあるが、これは図書館員に求められる役割の魂であり、核だと私は思う。図書館は、市民のためにあるのである。そして常に市民の味方である必要がある。
図書館員の果たすべき役割とは
1.はじめに
何年後かには図書館員の仕事がしたいということを知人や家族に言うと、大体同じような感想が返ってくる。「それは楽そうでいいね」「暇な仕事だろうね」「9時5時で残業なしでしょう」など、揃って楽な仕事というイメージを持っているようである。また図書館についての文献を読む中でも、全体的に図書館職員の職務に対する向上心やサービス精神が低いというような内容が随所に書かれていることに気づく。私が図書館を訪れる限りでは、比較的日常業務に追われて忙しそうに感じるのであるが、それは、職務において理想と現実のギャップが大きく存在するということなのであろうか。
では、図書館職員に本当に求められている役割とは一体どのようなものであるのだろうか。本論では、図書館員の果たすべき役割、そして今後求められる役割について書いていく。
2.図書館は誰のもの
図書館は誰のものか。それは、市民のものだと言い切れる。子どもたちには読書の喜び、楽しさを知る権利があり、社会人や、町に住むすべてのひとには、仕事や生活をするうえで必要な情報を手に入れる権利がある。またその権利は、生涯、どのよう...