新エネルギー材料特論2転位すべり

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    資料紹介

    転位すべりに必要なせん断応力とワイブル分布の形状母数と尺度母数の意味を述べています。

    資料の原本内容

    新エネルギー材料特論

    レポート 2 課題

    1. 転位すべりに必要なせん断応力は

    oc =

    2G
    2/ a
    exp −
    (1 −i )
    (1 −i )b

    で与えられる.ここでは G はせん断弾性率,i はポアソン比,a は格子定数,また b は転位のバーガー

    スペクトルである.面心立方結晶構造のアルミニウムについて { 111

    110 と { 110

    位すべりに必要なせん断応力の比 ( oc { 111 110 / oc { 110 111 ) を求めよ.
    回答

    { 111

    111 における転

    110 と { 110


    b = 22 a,{ 110

    111 の場合において,b だけが異なる値をとる.{ 111

    111 では b = 3a,であるので,それぞれ代入して整理すると

    oc { 111

    110 / oc { 110

    110 では



    2/ a( 3 −3 2)
    3(1 −i )

    2G
    exp
    111 =
    1 −i

    となる.

    さらに,G = 25.5 ×109 N/ m2 ,i = 0.34,a = 4.0496 ×10−10 m 1) として計算すると

    oc { 111

    110 / oc { 110

    111

    = 1.00

    となる.

    2. ワイブル分布の形状母数と尺度母数の意味を述べよ.
    回答 ワイブル (Weibull) 分布とは,システムや製品の寿命モデルとして知られており,式 (1,2) で表

    される.式 (1,2) 中の f ( m ) はワイブル分布密度関数(確率密度関数:PDF)
    ,F( m ) はワイブル分

    布関数(累積分布:CDF)として知られている.

    F( m ) = 1 −exp −
    f (m ) =

    dF( m )
    m
    =
    dm
    m0
    1

    m
    m0

    m
    m0

    m−1

    m

    exp −

    (1)

    m
    m0

    m

    (2)

    m が形状を決定することから形状母数と呼ばれ曲線の曲がりを表し,m が大きくなると分布の幅が
    狭くなり,小さくなると分布の幅が広くなる.すなわち,m が小さいほどデータのバラつきが大き
    く,信頼性が低いことを表す.m > 1 の時は増加関数の IFR(Increasing Failure Rate),0 < m < 1
    の時は減少関数の DFR(Decreasing Failure Rate),特に m = 1 の時は指数分布を表す.
    このことを故障現象に応用させれば,0 < m < 1 の時は DFR となるので初期的な故障,m = 1 の
    時は偶発的な故障,m > 1 の時は IFR となるので摩耗的な故障に分類される.

    σ0 は尺度を決定することから尺度母数と呼ばれ曲線の傾きを変える効果がある.σ0 = 1 とし m を
    変化させたときの f (σ ) と F(σ ) は図 1 のようになる.

    (a) ワイブル分布密度関数(確率密度関数) f (σ )

    (b) ワイブル分布関数(累積分布)F(σ )

    図 1 m を変化させたときの f (σ ) と F(σ )

    参考文献
    1) 日本アルミニウム協会:アルミの基礎知識,http://www.aluminum.or.jp/basic/aluminumtoha/fset1.html.
    2) 打越二彌:図解 機械材料 第 3 版,電気大出版局 (2001) .
    3) 日本材料学会:改訂 機械材料学,太洋堂 (2007) .
    4) 本松明:トンネリング・アルゴリズムを用いた信頼性推定法,特別研究論文要旨,(2005) A-6.

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