資料:3件
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血圧調節
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生理学実験
血圧調節
1、目的・緒言
体内血管系の血圧は主に二つの要因により変動する。一つは心拍出量(CO)によるもので、心拍出量が多ければ多いほど、血管を流れる血液量は増大し、その分血圧は上昇することとなる。もう一つは総末梢抵抗(TPR)であり、末梢の細動脈が収縮することによって血液の通る幅が狭くなり血圧が上昇する。以上2つの要素はそれぞれ逆に働くことで血圧は減少することとなる。平均大動脈圧は次の式で与えられる。
血流量は動脈圧から静脈圧を引いたものを血管抵抗で割ることによって求められるが、静脈圧はわずかなものであるため無視すると、血流量は動脈圧によって左右されることがわかる。生体内において動脈圧を監視しているのが圧受容器を呼ばれる圧感受性神経終末である。圧受容器は内頚動脈の起始部の頚動脈洞に集中して存在し、類似の神経終末が大動脈弓の主要な血管の分岐部に見られる。例えば血圧が低下したとき、圧受容器は図1の流れで応答して血圧を元に戻そうとする。図1にもあるように、圧受容器反射は自律神経系と密接な関係にあることがわかる。拮抗する交感神経および副交感神経の働きを調整することにより血圧を上昇、または減少を行っている。
本実験ではウサギを用いて血圧調整の様子を圧トランスデューサーを用いて観察する。両総頚動脈を閉塞することによる頚動脈洞への血流量(血圧)の低下、副交感神経である迷走神経の閉塞及び切断による影響、迷走神経の電気刺激、アドレナリン及びAChの投与を行い血圧調節の様子を観察する。
図1 圧受容器反射 (獣医生理学より) 2、材料・器具・試薬
実験動物:ウサギ
圧トランスデューサー
増幅器、記録計、
水銀マノメーター
アドレナリン、アセチルコリン、
ネンブタール
3、方法
実験準備
ウサギを保定管に入れて保定し、耳介静脈からネンブタール(30mg/kg体重)を注射し、麻酔をした。
頚部及び鼡径部の毛を刈り手術台に背位に保定した。
頚部を切開して気管を露出させて気管カニューレを装着した。また、左右総頚動脈及び迷走神経を結合組織から分離して、糸をかけた。
薬物投与用の静脈カニューレを装着した。
大腿動脈を露出し、分枝する血管を結紮したあと血圧測定用カニューレを装着した。
血圧測定
両総頚動脈をかけていた糸を持ち上げることにより閉塞した。
両側迷走神経にかけていた糸を縛り結紮したあと、それぞれ切断した、
左迷走神経において切断した神経末端を5V、1msで、100Hz・10Hz・20Hz・50Hz と周波数段階的に変えて電気刺激を行った。
アドレナリン(10μg/kg体重)
ACh(50μg/Kg体重)
4、結果
操作前 操作後 備考 最高血圧 最低血圧 平均血圧 最高血圧 最低血圧 平均血圧 両総頚動脈閉塞 150 102 118 190 132 151 血圧上昇。波形に小さな揺れ。 右迷走神経結紮 150 102 118 107 65 79 血圧低下→上昇。操作後の測定値は平均血圧が最も低下したところを測定した。 左迷走神経結紮 133 89 104 112 90 97 血圧低下→上昇。揺れ幅が増加。 右迷走神経切断 135 93 107 115 74 88 血圧低下→上昇、上昇後揺れが
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レポート
医・薬学
血圧
圧受容器
アドレナリン
アセチルコリン
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血圧・心拍数の神経性調節(ラット)
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ラットを用い,迷走神経の刺激や体性感覚刺激,自律神経作動薬を投与した際の血圧・心拍数の変化を観察し,神経性調節の仕組みを理解する.
表1,2や図1,2から,電圧や周波数が大きくなるほど心拍数・血圧の変化が大きいことが分かった.しかし,比例的に変化するのではなく,ある刺激点で大きく変化していた.これは,各段階の刺激に対して興奮する神経の数に差があるためだと思われる.また,実際のデータを見ると,刺激してすぐに変化し刺激を止めるとすぐに回復しており,副交感神経系がすぐに作用する様子がよく分かった.
自律神経作動薬の投与では,どちらも濃度の濃いものほど変化がはっきり表れた(表3,4).アセチルコリンを投与すると副交感神経が作動し,心拍数・血圧ともに下がった.アセチルコリン12.5μ/kgを投与して30秒後に心拍数・血圧が上がっているが,これはアセチルコリンの分解が早いためだろう.心臓に行くまでに分解されてしまい血管にしか働かないため,心拍数よりも血圧によく変化が出たのだと思う.ノルアドレナリンの場合は交感神経に作用し,血圧・心拍数は上昇した.ノルアドレナリンは心臓まで分解されないため,変化は血圧にも心拍数にもよく表れたのだと思われる.
体性感覚刺激では,ブラシ刺激のような非侵害性刺激ではほとんど変化が見られなかったが,ピンチ刺激のような侵害性刺激には,手と足で血圧・心拍数ともに大きく変化した(表5).これは,手足からの刺激の入力が頚椎や腰椎に伝わるのに対し,腹部からの入力は胸椎に伝わり,反応が弱くなるためだと考えられる.今回の実験で,体性感覚刺激に自律神経が関与する様子がよく理解できたと思う.
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レポート
理工学
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