資料:2件
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赤血球抵抗
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生理学実験
赤血球抵抗
目的・緒言
細胞はその形態を維持するために外界の浸透圧に対してその容積を一定に保とうと
する。外界が細胞に対して高張であれば、細胞外への水やイオンの流出が起こり細胞
容積は減少する。しかし、細胞はその容積を一定に保とうとするため、調節性容積増
加(RVI : Regulatory Volume Increase)を行うことで、体内に水やイオンを取り込みも
との容積を維持しようとする。また、外界が細胞に対して低張であれば、細胞内へ水
やイオンが流入して細胞容積は増大する。しかし、RVIと同様に調節性容積減少(RVD
:Regulatory Volume Decrease)を行い、細胞内から水やイオンを排出して細胞容積を
一定に保とうとする。
低張液にさられたとき、細胞のもつ調節能力の限界を超えて水が流入することがある。
このとき細胞は破裂して中身が外界へ飛び出してしまうことになる。赤血球においては
この現象のことを溶血と呼ぶ。本実験ではラットの赤血球を用いてParpart法により、
赤血球の脆弱性を調べた。さまざまな浸透圧濃度の緩衝液を用意し、赤血球がどれくら
いの割合で溶血を起こしているのかを、吸光度を測定しその相対値から比較した。
材料・器具
リン酸緩衝液、ラット新鮮全血、マイクロピペット、ビーカー×2、遠心管、吸光光度計、パラフィルム、
注;リン酸緩衝液 NaCl…154mM Na2HPO4…9.6mM NaH2PO4…1.6mM
pH 7.3 340mOsm/ℓ
方法
リン酸緩衝液と蒸留水を下図の通り混合し、12種類の溶液を5mℓずつ作製した。
系列番号 浸透圧(mOsm/ℓ) リン酸緩衝液(mℓ) 蒸留水(mℓ)
高張
低張 1 289 4.25 0.75 2 255 3.75 1.25 3 221 3.25 1.75 4 204 3.00 2.00 5 187 2.75 2.25 6 170 2.50 2.50 7 153 2.25 2.75 8 136 2.00 3.00 9 119 1.75 3.25 10 102 1.50 3.50 11 68 1.00 4.00 12 34 0.50 4.50
(2) ラット新鮮全血を100μℓずつ各溶液に加えた。このとき、赤血球を破壊しないよう全血の入ったチューブは丁寧に扱い、また混合液に加える時も遠心管の管壁に沿って静かに加えた。
(3) (2)で作製した溶液を丁寧に混和した。上下にひっくり返すのを3回ずつ行った。この際も赤血球を破壊しないよう、混和もゆっくりと丁寧に行った。
(4) (3)で混和した溶液を30分室温で放置し、その後2500回転/分で10分間遠心分離を行った。遠心分離機のある部屋へ溶液を運ぶときも、衝撃を与えないよう注意した。
(5) 遠心分離の終えた溶液の上澄みを別の遠心管にあけ、吸光光度計を用いて540nmにおける上澄みの吸光度を求めた。
(6) (5)で求めた吸光度を系列1を溶血度0%、系列12を溶血度100%としてそれぞれの溶血度の相対値を算出し、グラフを描いて溶血曲線を求めた。
4、結果
系列番号 浸透圧 吸光度 溶血度 一回目 二回目 平均値 1 289 0.015 0.015 0.0150 0.000 2 255 0.017 0.016 0.0165 0.070 3 221 0.014 0.013 0.0135 -0.070 4 204 0.016 0.016 0.0160 0.047 5 18
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