1 年功的な賃金体系について
日本企業において年功的な賃金体系とは、年齢・勤続年数とともに業績が加味されて賃金が決定されることをいう。年功的賃金は、横軸に年齢又は勤続年数を示し、縦軸に賃金額又は賃金指数を示すことで、賃金カーブという曲線を用いて表現することができ、この曲線により企業単位だけでなく、特定の集団の平均値としても描くことができる。
労働省が、1975年から95年までの20年間に実施した「賃金構造基本統計調査」によるホワイトカラーとブルーカラーの賃金カーブの変化を見ると、ホワイトカラーの賃金カーブはピークが50歳から54歳層で、その傾きは1975年から85年にかけて急激になった後、90年から2000年に再び緩やかとなり、55歳から59歳層の賃金低下は緩やかになっている。これに対して、ブルーカラーの賃金カーブは、ピークが以前の40歳代後半層から50歳代前半層に移ってきており、その傾きは90年から2000年にかけて40歳代までは緩やかになっていたが、50歳代以上の層で厳しくなっている。これらの変化の理由としてあげられるのは、企業内の昇進構造の変化や世代間の需給バランスの影響、さらに定年年齢の延長が関連している。
日本企業では、昇進・昇格する場合、必ず人事考課の結果が反映されることになっており、勤続年数のみが昇進・昇格の必要条件ではない。たとえ毎年の賃金が働きぶりによって変わらなくても、昇進などの評価が反映されていることから、業績が考慮されているのである。つまり、賃金についてみる場合は、その上がり方だけでなく決定の仕方についても観察する必要がある。
2 成果に基づいた賃金体系について
成果に基づいた賃金制度とは、従業員個人の能力や働きに応じて月給を決める仕組みのことである。
日本企業における賃金体系について述べる。
1 年功的な賃金体系について
日本企業において年功的な賃金体系とは、年齢・勤続年数とともに業績が加味されて賃金が決定されることをいう。年功的賃金は、横軸に年齢又は勤続年数を示し、縦軸に賃金額又は賃金指数を示すことで、賃金カーブという曲線を用いて表現することができ、この曲線により企業単位だけでなく、特定の集団の平均値としても描くことができる。
労働省が、1975年から95年までの20年間に実施した「賃金構造基本統計調査」によるホワイトカラーとブルーカラーの賃金カーブの変化を見ると、ホワイトカラーの賃金カーブはピークが50歳から54歳層で、その傾きは1975年から85年にかけて急激になった後、90年から2000年に再び緩やかとなり、55歳から59歳層の賃金低下は緩やかになっている。これに対して、ブルーカラーの賃金カーブは、ピークが以前の40歳代後半層から50歳代前半層に移ってきており、その傾きは90年から2000年にかけて40歳代までは緩やかになっていたが、50歳代以上の層で厳しくなっている。これらの変化の理由としてあげられるのは、企業内の昇進...