はじめに
福祉国家とは、国民の福祉の増進と確保、すなわち、すべての国民に人間らしい文化的最低限度の生活を保障しようとする国家のことである。現在では、日本国憲法第25条ですべての国民に最低限度の生活が保障され、社会保険や公的扶助などの社会保障制度が確立して、日本もスウェーデンやデンマークなどの福祉国家に続いて、世界有数の福祉国家になるまで成長したのである。
何故ここまで世界各国に福祉国家が広まったのかというと、1942年に世界に先駆けてイギリスで発表された「ベヴァリッジ報告」が大きく影響している。その報告では、「ゆりかごから墓場まで」の生活保障の体系的な制度化が提唱されている。
「福祉国家の思想と原理について述べよ。」
(はじめに)
福祉国家とは、国民の福祉の増進と確保、すなわち、すべての国民に人間らしい文化的最低限度の生活を保障しようとする国家のことである。現在では、日本国憲法第25条ですべての国民に最低限度の生活が保障され、社会保険や公的扶助などの社会保障制度が確立して、日本もスウェーデンやデンマークなどの福祉国家に続いて、世界有数の福祉国家になるまで成長したのである。
何故ここまで世界各国に福祉国家が広まったのかというと、1942年に世界に先駆けてイギリスで発表された「ベヴァリッジ報告」が大きく影響している。その報告では、「ゆりかごから墓場まで」の生活保障の体系的な制度化が提唱されている。つまり、生まれたときから死ぬまで国民のライフサイクルに応じて最低限度の生活を保障するシステムが立案されたのだ。
(ベヴァリッジ報告とは)
英国では、すでに第2次世界大戦中に福祉国家に向けての取り組みがなされていた。当時の英国では、戦争の中、国民の生活は困窮し、国民一人一人の自助努力だけでは、生活水準を維持していくことは困難と考えられた。そこで、1941年7月に戦時体制化...