1.表現の自由―権利の内容
憲法21条1項で「集会、結社および言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と定め、2項では、「検閲は、これをしてはならない」と規定している。19条の思想・良心の自由が人の内心における精神活動の自由を保障するのに対して、21条表現の自由は、内心における精神活動を、外部に表明する精神活動の自由を保障している。また、表現の自由は、人権規定の中でも特に「優越的地位」にあるといわれている。なぜなら、「個人の自己実現」にとって不可欠であり、多様な意見や情報が自由に流通することを保障し、民主主義成立の前提条件ともいえるからである。
2.表現の自由の制約原理
経済的自由権とは異なり、表現の自由を制約する法律については、合憲性の推定が排除され、合憲を主張する側が主張立証する負担を負う。また、合理性の審査だけでなく、より厳しい基準を用いて審査される。(厳格審査基準)表現の自由に対する制約の合憲基準は、厳格な審査により判断される。第1に、実質的な害悪が生じることが明白であり、かつ、それが差し迫っていること、とする「明白かつ現在の危険」のテスト(基準)。
表現の自由について。
1.表現の自由―権利の内容
憲法21条1項で「集会、結社および言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と定め、2項では、「検閲は、これをしてはならない」と規定している。19条の思想・良心の自由が人の内心における精神活動の自由を保障するのに対して、21条表現の自由は、内心における精神活動を、外部に表明する精神活動の自由を保障している。また、表現の自由は、人権規定の中でも特に「優越的地位」にあるといわれている。なぜなら、「個人の自己実現」にとって不可欠であり、多様な意見や情報が自由に流通することを保障し、民主主義成立の前提条件ともいえるからである。
2.表現の...