現代の「教師に求められる資質とは何か」についてまとめなさい
教師の「資質」という概念に関して、必ずしも決まった一定のものはあるわけではない。しかし、教師という職業的観点から考えると「資質」は最重要な要素であると考える。現代のめまぐるしく変化する社会の中で、子どもたちは不登校やいじめ、そして非行問題など深刻な状況に直面していることも少なくはない。そのような中で時代に適応していくための「生きる力」を育む教育展開が必要であり、教師に強く求められている。「生きる力」とは、いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、また、自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性のことである。また、たくましく生きてゆく体力や健康も含まれる。
以上のような「生きる力」を育むためにも、人間的資質で言えば、教育という営みに対する愛着である「教育愛」や「使命感」などを前提として、教師も時代に適応できる豊かな人間性や専門性、技術、教養、実践的指導力が求められる。
昭和62年12月の本審議会答申の「教員の資質能力の向上方策等について」では、教員の資質能力とは「専門的職業である『教職』に対する愛着、誇り、一体感に支えられたちしき、技能等の総体」と述べている。つまり、ここで述べられた資質とは、一般的にいつの時代であっても教員として求められるものであり、「素質」とは違い後天的に形成可能なものと理解されている。
では、こうした一般的資質能力の上に成り立つ、今後特に教員として求められる資質能力について、以下に具体的に考察していきたい。
1996年、中央教育審議会は「21世紀を展望した我が国の教育のあり方について」において、教員に求められる資質について、学校段階によって異なるが教科指導や生徒指導、学級経営などの実践的指導力の重要性を挙げている。また、今日的な深刻な学校問題を踏まえて、教員一人ひとりが子どもの心を理解し、その悩みを受け止めようとする態度の重要性にも触れている。そして、これらの資質・能力の育成・向上のためには、教員養成、採用、研修の各段階での改善や体系的な整備が求められている。
そして、中央教育審議会の答申を受けて、1997年教育職員養成審議会は、第一次答申『新たな時代に向けた教員養成の改善方策について』を発表した。この中で、これからの教員には、変化の激しい時代にあたって子どもたちに「生きる力」を養成する教育を行うことが期待されている。そのような観点から、今後教員に求められる資質能力として、大きく3つを例示している。
1:地球的視野に立って行動するための資質能力
世界がさまざまな点で近くなった今日、教師がまず地球や人類のあり方を自ら考えて、培った幅広い視野を教育活動に積極的に生かすことが期待される。
①地球、国家、人間等に関する適切な理解
例:地球観、国家観、人間観、個人と地球や国家の関係についての適切な理解、社会・集団における規範意識
②豊かな人間性
例:人間尊重・人権尊重の精神、男女平等の精神、思いやりの心、ボランティア精神
③国際的社会で必要とされる基本的な資質能力
例:考え方や立場の相違を受容し多様な価値観を尊重する態度、国際社会に貢献する態度、自国や地域の歴史・文化を理解し尊重する態度
以上の3点が具体例として挙げられている。
2:変化の時代を生きる社会人に求められる資質能力
教員という職業自体が社会的に特に高い人格・見識を求められる性質の
現代の「教師に求められる資質とは何か」についてまとめなさい
教師の「資質」という概念に関して、必ずしも決まった一定のものはあるわけではない。しかし、教師という職業的観点から考えると「資質」は最重要な要素であると考える。現代のめまぐるしく変化する社会の中で、子どもたちは不登校やいじめ、そして非行問題など深刻な状況に直面していることも少なくはない。そのような中で時代に適応していくための「生きる力」を育む教育展開が必要であり、教師に強く求められている。「生きる力」とは、いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、また、自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性のことである。また、たくましく生きてゆく体力や健康も含まれる。
以上のような「生きる力」を育むためにも、人間的資質で言えば、教育という営みに対する愛着である「教育愛」や「使命感」などを前提として、教師も時代に適応できる豊かな人間性や専門性、技術、教養、実践的指導力が求められる。
昭和62年12月の本審議会答申の...