「『徒然草』第7段、第51段、第60段、第74段、第92段、第106段、第155段を読み、そこに共通する作者の考えを論ぜよ。」
「徒然草」は、吉田兼好によって一三三〇年ごろに書かれた随筆であるとされているが定説はない。兼好が、歌人であり、官人、能書家、古典学者でもあったために深い教養と豊かな詞藻を以て、自由暢達な筆の運びを示し、名文章として強い感銘を与える作品となっている。内容は人間について・毎日の生活・世の中の様子・などの日常的話題や、教養・哲学・心理・宗教などの学術的な話題にいたるまで、その視線は広く深いものである。
「『徒然草』第7段、第51段、第60段、第74段、第92段、第106段、第155段を読み、そこに共通する作者の考えを論ぜよ。」
「徒然草」は、吉田兼好によって一三三〇年ごろに書かれた随筆であるとされているが定説はない。兼好が、歌人であり、官人、能書家、古典学者でもあったために深い教養と豊かな詞藻を以て、自由暢達な筆の運びを示し、名文章として強い感銘を与える作品となっている。内容は人間について・毎日の生活・世の中の様子・などの日常的話題や、教養・哲学・心理・宗教などの学術的な話題にいたるまで、その視線は広く深いものである。
古典趣味、無常観、人生訓はもちろんであるが、ものごとを多面的にとらえることが得意であり、それぞれの章段によっては、一見別々の事柄を述べているために脈絡がないようにみえるが、深く掘り下げて読み進めると人間に関する共通した観方がある。この一見、つれづれなるままに書かれているように思える作品の中に見える共通した観方こそが「徒然草」たるゆえんであろう。
深い教養と豊かな詞藻と俗世離れした感覚から、ものごとを客観的に見るようになると、「この世に永遠のものはひとつもない」という...