一方で、「ソーシャルケースワーク」との違いについて明確にしておきたい。その定義として様々だが、概説すると個人やその家族を対象とし、社会生活上の問題について相談援助を行なっていく技術である。ここで疑問になるのが、「ケアマネジメント」との違いである。「ソーシャルケースワーク」では、「個人の内的な力」と「社会資源」を活用していくということだが、どちらかといえば、個人をエンパワメントしていく方に重点が置かれており、社会資源との連携が希薄であり、反面「ケアマネジメント」では、エンパワメントする一方で(strebgth model)、社会資源と結び付けていく側面(broker model)も強く持っているということだろう。
レポート、福祉学、ケアマネジメント、ソーシャルケースワーク、在宅介護支援センター、介護保険
「ケアマネジメント」の定義について、様々な考え方が存在し、いまだ不明瞭な部分があるという。なかでも、白澤政和氏による定義として「対象者の社会生活上での複数のニーズを充足させるため、適切な社会資源と結びつける手続きの総称」(注1)は分かりやすいものとなっている。言い換えれば、複数のニーズを持った対象者を様々な職種や団体、サービスがチームとなって支えていこうという考え方である。
もともとは、アメリカにおいて精神障害者の社会復帰プログラムとして始まったといわれている。それが、日本で始まったのは、ゴールドプランで登場した「在宅介護支援センター」である。対象は、高齢者介護の在宅ケア推進のためのもので...