「ほす」と「かわかす」は、「洗濯物をほす。」「洗濯物を乾かす。」という表現においては、ほぼ類似した状況をあらわす。しかし、いくつかの代表的国語辞典を見ても、両動詞の差はあまりはっきりしない。ある辞典の(『三省堂国語辞典』第二版)『ほす』の項の第一義は「かわかす」とあるのみである。しかし詳しく調べてみると両動詞にはいろいろの用法の差が見られる。
例えば、「煮ぼし」はなまの魚を煮て乾燥させて作った一種の加工品であるが、これを「煮かわかし」と言えない。同じような加工品について分析してみると、すべて「―ほし」「ほし―」は付けられるが「―かわかし」「かわかし―」は付けられない。
2 〈1〉煮ぼし(梅ぼし・切りぼし)・干し葡萄(柿・大根・名・肉・わかめ・海苔)
これらのホシテ作られる製品は、大きな共通点がある。それは(日光や風にあてて)<内部の水分を抜いて貯蔵に耐えられるようにしたもの>ということである。ホスはこの場合完成品を目指していると考えられる。わかめや海苔は、ホシテ完成品にするが、いったん干したものが湿ったら、今度はカワカスのであって、干すといわないのが通常である。
はじめに
「ほす」と「かわかす」は、「洗濯物をほす。」「洗濯物を乾かす。」という表現においては、ほぼ類似した状況をあらわす。しかし、いくつかの代表的国語辞典を見ても、両動詞の差はあまりはっきりしない。ある辞典の(『三省堂国語辞典』第二版)『ほす』の項の第一義は「かわかす」とあるのみである。しかし詳しく調べてみると両動詞にはいろいろの用法の差が見られる。
例えば、「煮ぼし」はなまの魚を煮て乾燥させて作った一種の加工品であるが、これを「煮かわかし」と言えない。同じような加工品について分析してみると、すべて「―ほし」「ほし―」は付けられるが「―かわかし」「かわかし―」は付けられない。
2 〈1〉煮ぼし(梅ぼし・切りぼし)・干し葡萄(柿・大根・名・肉・わかめ・海苔)
これらのホシテ作られる製品は、大きな共通点がある。それは(日光や風にあてて)<内部の水分を抜いて貯蔵に耐えられるようにしたもの>ということである。ホスはこの場合完成品を目指していると考えられる。わかめや海苔は、ホシテ完成品にするが、いったん干したものが湿ったら、今度はカワカスのであって、干すといわないのが通常である。
次にホス...