1.はじめに
普段意識する機会はあまりないが、自分の属する国家は何かと聞かれたら私は日本と答えるだろう。国籍も日本だし、ずっと日本で暮らしてきたからである。日本に住んでいれば属する国家は日本であると思うし、そう考えている人は少なくないのではないか。
それならば、例えば在日外国人やニューカマー、国際結婚で産まれた「ダブルの子ども」といった人たちの属する国家も日本ということになるのだろうか?外国で産まれ育った日本人は?そう考えると、上記の定義では不十分であると言わざるを得ない。国家とはいったい何なのか、改めて考えてみようと思う。
国家とはなにか
1.はじめに
普段意識する機会はあまりないが、自分の属する国家は何かと聞かれたら私は日本と答えるだろう。国籍も日本だし、ずっと日本で暮らしてきたからである。日本に住んでいれば属する国家は日本であると思うし、そう考えている人は少なくないのではないか。
それならば、例えば在日外国人やニューカマー、国際結婚で産まれた「ダブルの子ども」といった人たちの属する国家も日本ということになるのだろうか?外国で産まれ育った日本人は?そう考えると、上記の定義では不十分であると言わざるを得ない。国家とはいったい何なのか、改めて考えてみようと思う。
国家の定義
1933年に制定された『国の権利および義務に関する条約』によると、国家が成立するための要件として永久的住民、明確な領域、政府、そして他国との関係を取り結ぶ能力の4つが必要であるとされている。また辞書では『一定の領土とそこに居住する人々からなり、統治組織をもつ政治的共同体。または、その組織・制度。主権・領土・人民がその三要素とされる。』と定義されている(大辞泉)。人や土地がなければ国家は存在しないということである。また永久的住民という表現...