少子高齢化は社会保障制度、とりわけ公的年金制度においては深刻なものである。それは現在の公的年金制度が賦課方式をとっているからである。賦課方式とは現在の受給者の年金額を、現在の現役世代の納める保険料でまかなうという世代間扶養のシステムのことである。現在の社会保障財源の6割以上は現役世代が中心となって負担している社会保険料であり、給付総額の7割近くを高齢者が受給している。つまりこのまま少子高齢化が進めば、将来の受給者は満足な給付を得られない恐れが出てくるということである。
現行の公的年金制度の基盤は高度経済成長期に人口の緩やかな増加やそれに伴う経済の拡大を前提条件として作られたものである。そのため...