「総合的な学習の時間」のねらいはどんなところにあるのか。
平成10年の学習指導要領の改訂で、「総合的な学習の時間」が新設された。これは従来の教科の枠を超えて「生きる力」を身につけるための時間として設定された。教育課程審議会答申では、「総合的な学習の時間」のねらいについて、「各学校の創意工夫を生かした横断的・総合的な学習や児童生徒の興味・関心等に基づく学習などを通じて、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること」であり、また「学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の在り方生き方を考えることができるようにすること」としている。具体的な学習内容としては「国際理解」「情報」「環境」「福祉・健康」などが想定され、児童生徒の興味関心に基づいてなされている。
1991年から全国に先駆けて総合学習を行ってきた京都教育大学付属小学校では、総合学習の意味を次のように述べている。「物質的に恵まれた生活を送っている子どもたち。しかしながら一方では心の貧しさが叫ばれるようになってきている。さらに学習...