1.はじめに
アメリカ文学概論のレポートを作るために今回読んだのはエリック・シーガル著の「ラブ・ストーリィ」である。これを読んだときに思い出したのは片山恭一著の「世界の中心で愛を叫ぶ」だった。どちらも大ヒット、映画化された恋愛小説で、内容も共通点が多くある。
30年以上の年代差があるこの二つの小説の共通点、相違点を探し、何が「うけた」のかを考えてみた。
2.二つの作品の共通点と相違点
「ラブ・ストーリィ(※1)」と「世界の中心で愛を叫ぶ(※2)」はどちらも、主人公の恋人が死んでしまうという恋愛小説である。
「ラブ・ストーリィ」の冒頭は「どういったらいいのだろう、二十五の若さで死んだ女のことを。彼女は美しく、その上聡明だった。」である。主人公が過去を振り返る形で始まっている。「世界の中心で愛を叫ぶ」も、社会人となった主人公が中学生時代を振り返る形で物語は進む。しかし「ラブ・ストーリィ」が過去を振り返る形で描かれるのは冒頭だけで、あとは主人公がヒロインに出会い、恋をし、ヒロインが死ぬまでがリアルタイムで描かれている。それに比べ「世界の中心で愛を叫ぶ」の方は現在の主人公の生活の合間に過去の回想が挟まれ、主人公は恋をしていたころの中学生ではない。恋をしているのはあくまで回想の中であり、ヒロインの死を未だ引きずる現在の主人公がその苦しみを乗り越えることに焦点が当てられている。そういった点では二つの小説の描かれ方は違う。
話の筋も、主人公の恋人が死んでしまうというところ以外の共通点はこれといって無い。
「二つの恋愛小説における主人公とヒロインの関係性について」
はじめに
二つの作品の共通点と相違点
考察
おわりに
参考文献
1.はじめに
アメリカ文学概論のレポートを作るために今回読んだのはエリック・シーガル著の「ラブ・ストーリィ」である。これを読んだときに思い出したのは片山恭一著の「世界の中心で愛を叫ぶ」だった。どちらも大ヒット、映画化された恋愛小説で、内容も共通点が多くある。
30年以上の年代差があるこの二つの小説の共通点、相違点を探し、何が「うけた」のかを考えてみた。
2.二つの作品の共通点と相違点
「ラブ・ストーリィ(※1)」と「世界の中心で愛を叫ぶ(※2)」はどちらも、主人公の恋人が死んでしまうという恋愛小説である。
「ラブ・ストーリィ」の冒頭は「どういったらいいのだろう、二十五の若さで死んだ女のことを。彼女は美しく、その上聡明だった。」である。主人公が過去を振り返る形で始まっている。「世界の中心で愛を叫ぶ」も、社会人となった主人公が中学生時代を振り返る形で物語は進む。しかし「ラブ・ストーリィ」が過去を振り返る形で描かれるのは冒頭だけで、あとは主人公がヒロインに出会い、恋...