児童虐待〜滋賀2歳女児死亡事件〜

閲覧数8,285
ダウンロード数13
履歴確認

    • ページ数 : 7ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    1、はじめに
    近年、児童虐待の問題が多く取り上げられ、事件として報道されることも多い。過去に大きく報道された事件の例としては、2000年の愛知県武豊町で3歳の女児がダンボールに入れられ餓死した事件や2003年の名古屋市で4歳の男児が母親と同居していた男子高校生に暴行されて死亡した事件などがあるが、これらは非常に衝撃的な事件であったため、今でも強く記憶している人は多いのではないかと思う。そして、今年に入ってからも多くの児童虐待事件が発生している。その中の一件が、今回取り上げる「滋賀2歳女児死亡事件(本稿での便宜上の呼び方である。)」である。
    児童虐待は、子どもの成長を阻害し、その人格を否定するものであり、虐待が連鎖する可能性があることから、次の世代へ不安を与えるものでもある。また、少子化の進む現在、貴重な子どもの命を奪うという点から見ても、重大な問題であり、早急な解決が求められる。その要請から、2000年には「児童虐待の防止等に関する法律(以下、児童虐待防止法)」が施行され、2004年には改正された。これによって、児童虐待の問題性が確認され、その解決のための取り組みが行われたはずである。しかしながら、いまだ解決には至っておらず、今年に入ってからも数多くの虐待死亡事件が報道されている。ここでは、今年に発生した事件の一つである滋賀2歳女児死亡事件を題材に、児童虐待の発生防止や解決のために、どのような対応が必要なのか、検討していく。なお、現段階で得られる情報は限られているので、わずかではあるが、入手可能な新聞報道による情報を対象とする。
    2、事件の概要――滋賀県2歳女児死亡事件――
    7月5日午前7時20分頃、滋賀県高島市の病院から「全身にあざのある女の子がぐったりした状態で運ばれてきた」と警察に通報があった。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    児童虐待――滋賀2歳女児死亡事件――
    <目次>
    1、はじめに
    2、事件の概要――滋賀県2歳女児死亡事件――
    3、児童虐待の態様とそれに対する対応
    (1)児童虐待の態様
    (2)児童虐待に対する対応
    4、滋賀2歳女児死亡事件
    (1)発見・調査の段階
    (2)対応の段階
    (3)残された姉弟や親への対応
    5、本事件への対応を振り返って
    6、終わりに
    1、はじめに
    近年、児童虐待の問題が多く取り上げられ、事件として報道されることも多い。過去に大きく報道された事件の例としては、2000年の愛知県武豊町で3歳の女児がダンボールに入れられ餓死した事件や2003年の名古屋市で4歳の男児が母親と同居していた男子高校生に暴行されて死亡した事件などがあるが、これらは非常に衝撃的な事件であったため、今でも強く記憶している人は多いのではないかと思う。そして、今年に入ってからも多くの児童虐待事件が発生している。その中の一件が、今回取り上げる「滋賀2歳女児死亡事件(本稿での便宜上の呼び方である。)」である。
    児童虐待は、子どもの成長を阻害し、その人格を否定するものであり、虐待が連鎖する可能性があることから、次の世代へ不...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。