流言とは明確な根拠のない情報が連鎖的に広まり、やがて全体に伝播することである。流言は個人によって感じ方が異なるため、伝達過程で情報に変化が生じる。Allportらはこれを平均化、強調化、同化の3項目にまとめている。この実験では、情報に対する被験者の関心度、伝達に関する構えを考慮し、ある文章が人を通して伝達される過程でその情報内容がどのように変化するかを測定する。変化の程度は平均化、強調化、同化の3つの側面から分析する。
『デマ・流言の変容』
流言は、ある一部での話が不確実な情報のまま非組織的、不確定な経路をたどりながら人から人へと連鎖的に伝播される社会的コミュニケーションである。流言は個人によって感じ方が異なるため、伝達過程で情報に変化が生じる。Allportらはこれを平均化、強調化、同化の3項目にまとめている。
この実験では34detailsの刺激文を6人の被験者が次々と伝達していく過程で、平均化、強調化、同化がどのように起こるかを検証した。その結果、伝達内容の後半になるほど平均化されていることが示された。最初に伝達する被験者からすでに強調化されており、注目される部分はより大げさに変えられる同化が起こっている。また、伝達内容の後半、伝達順序の後半へ進むほど、詳細が脱落し主観的意見が付加されることが示された。ほとんどの数字に関する内容は脱落しており、アンケート結果と合わせて見ても、数字の方が覚えづらいということが分かった。
<問題と目的>
デマとはdemagogueryの略で、本来は政治的な目的を持って意図的に流す嘘のことであり、転じて単なる嘘や噂、流言などを指すこともある。流言は、明確な根拠...