非行臨床と病院臨床の同異について

閲覧数2,141
ダウンロード数0
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員1,100円 | 非会員1,320円

    タグ

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    非行臨床と病院臨床の同異について
     まずは、非行臨床と病院臨床の共通点についてまとめてみたい。両者に共通している点は、大きく分けて2点であると言える。1点目は、両者ともに、臨床的枠組みによって相手の理解を進めようとするものである。非行臨床におけるクライエント、つまり非行少年は、彼らの内面に即していえば、常習者であればあるほど、過酷な生育史や、言い分を聞いてもらえず一方的に非難されるなど心的外傷体験を蓄積した人であるとみることができる(藤田,2004)。病院臨床におけるクライエント、つまり患者は、何らかの生活上の問題を抱えて受診するわけだが、その背景には、心的外傷体験をも含めた、患者なりの「ストーリー」(土居,1992)を必ず持っている。熊倉(2003)は、精神疾患の面接における臨床診断とは、個々の患者について、症状学的ストーリーと、「生」のストーリーを二重に読み取る作業である、と述べている。つまり、症状の出現について、患者の「生き方」に即して読み取り、その移り変わりを経時的に理解することである。このことは、非行少年に対しても、同様であると言える。すなわち、非行臨床における心理療法場面と...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。