「国際協力」この言葉は高いレベルに目的を持った大規模なプロジェクトを連想させる響きがあると思う。そして実際そのような国際協力の体制は、ユニセフやユネスコを筆頭に多数存在する。また最近では、アメリカによる攻撃後のアフガニスタン支援についての会議が、多くの国の参加を得て東京で開かれた。専門家や政府高官がメンバーに名を連ね、主催も出資も国をはじめとした大組織が関わるこの手の国際協力は、昨今ますますその重要性を高め、そこから生まれる成果や影響力も非常に大きいものである。
しかしこのような新聞の一面を飾るような大きな国際協力のほかに、私たち学生も参加できる、もっと規模の小さい、協力するほうも受けるほうも市井の人々であって、その内容もそれぞれの暮らしに密着しているような、個人レベルの国際協力も私たちが見落としているだけで、実際あるのではないだろうか。援助を必要としている人や場所のことを知って心を動かされ、国という名の線で囲い込まれた境界を越えて、同じ人間同士、困っている人に手を差し伸べようとする自然な思いこそが、国際協力の原点なはずであると思う。
地球上の経済格差が広がり、各地で環境問題...