美術概論

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    資料紹介

    『美術嫌いになる原因を具体的事例からさぐり、楽しい・わかる・できる授業を通して好きにさせるための手立てを、学習指導要領の目標及び内容・方法と関連づけて述べなさい。』
    まず初めに「美術嫌いになる原因」を考察する。幼児や低学年の児童のほとんどが絵を描くことを好きと答える。しかし、年を重ねると共に絵を描くことが嫌いになる子供が増えている。これは幼い頃に絵を描くという行為自体がほめられていたのに対し、年を重ねると「何を」「どのように」「表現したか」という作品の出来ばえに関係するからである。つまり、技術面への不満と評価への不信が根本的な美術嫌いを育ててしまうと考えられる。美術とは個性の表現であり、公式のように決まった基準があるわけではない。例えば、昨年はのびのびと子供らしくて良いとほめられた描き方が、今年は乱暴だと注意される。また、次はもっと大きく描きなさいと言われた描き方が、来年には細かく繊細で良いとほめられることもある。これでは子供は何をどのように描けばよいのか戸惑うのが当然である。その上、この評価は子供の思い描く作品に近づけたかという評価ではなく、教師が思い描く「良い作品」に近づけたかという評価になる。教師が望むことを描かなくてはならないのならば、子供はその評価に不信を覚えるだろう。
    他の例を考えるならば、子供は赤く描いた果物を蜜柑だという。教師は蜜柑を描くなら、橙色に描き直せということもある。作品とは正確でなくてはいけないのか。この赤い蜜柑を描いた人物が例えばピカソなら高い評価を受ける蜜柑になるだろう。なぜなら、そこには個人の感性が反映されているためである。美術の目標は「作り出す喜びを味わい、創造の基礎的な能力と豊かな情操を育てる」とあり、作品は正確さを評価するのではない。なぜ、そのような作品になったのかという感性を評価するべきなのである。それにより、子供は作品と共に自らを認められる喜びを感じ、美術への関心を育むことが可能と考えられる。だが同時に、赤い蜜柑のすべて認めるべきではないとも思う。この子供は橙色の蜜柑を描きたかったのに、橙色を表現できなかったことも考えられる。その場合は、橙色を作り出す方法を教えるべきである。子供の作品に口を出し、表現を殺すべきではないという考え方もあるが、思い描く作品を仕上げるための方法を伝え、その技術を習得させなければ、子供は思い通りに描けないと不満を抱き、美術が苦手だと感じてしまう。
    美術を教えるということは、どのような作品を作るのかではなく、どのようにすれば作品になるのかを教えることであると考えられる。そして作品の出来を評価するのではなく、何を表現したか、どれだけの技術が使えるようになったかを評価することで、子供は「作る喜び」を感じられると思われる。
    以上のことから、美術嫌いを育ててしまう原因とは、美術という教科に模範解答があるかのように作品の出来に評価を与える、子供の感性で思い描いた作品を教師の考える「良い作品」に近づけようと歪めてしまう作品への「評価」。そして、思い描く作品を作り上げるための技術を十分に伝達していないために、作品の制作に苛立ちを感じさせてしまう「技術」的な点にあるのではないかと考えるのである。よって、美術教育というものへの正しい認識が重要になってくるのだろうと思われる。
    学習指導要領における図画工作科の目標では全体の目標として「表現及び鑑賞の活動を通して、つくり出す喜びを味わうようにすると共に造形的な創造活動の基礎的能力を育て、豊かな情操を養う」と示されている。この目標には「表現及び鑑賞により、

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    子供授業表現美術技術指導目標能力方法知識

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    美術概論美術

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    『美術嫌いになる原因を具体的事例からさぐり、楽しい・わかる・できる授業を通して好きにさせるための手立てを、学習指導要領の目標及び内容・方法と関連づけて述べなさい。』
    まず初めに「美術嫌いになる原因」を考察する。幼児や低学年の児童のほとんどが絵を描くことを好きと答える。しかし、年を重ねると共に絵を描くことが嫌いになる子供が増えている。これは幼い頃に絵を描くという行為自体がほめられていたのに対し、年を重ねると「何を」「どのように」「表現したか」という作品の出来ばえに関係するからである。つまり、技術面への不満と評価への不信が根本的な美術嫌いを育ててしまうと考えられる。美術とは個性の表現であり、公式のように決まった基準があるわけではない。例えば、昨年はのびのびと子供らしくて良いとほめられた描き方が、今年は乱暴だと注意される。また、次はもっと大きく描きなさいと言われた描き方が、来年には細かく繊細で良いとほめられることもある。これでは子供は何をどのように描けばよいのか戸惑うのが当然である。その上、この評価は子供の思い描く作品に近づけたかという評価ではなく、教師が思い描く「良い作品」に近づけたかとい...

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