ブレヒト 『ガリレイの生涯』 を読んで 〜伝記中のガリレイをしのぶ〜
子供の頃、僕は伝記を読むのが好きだった。子供向けの伝記というのは、偉人の生涯の、いわば良いとこ取りをした物なわけで、彼の生涯における正の部分のクローズアップともいえよう。多少、道徳的にまずいエピソードがあったって(信長が父親の位牌に灰を投げつけたとか)、それは彼の偉業に彩りを添えるスパイスか、または後にそれを悔いて改心し、「正しい」方向へ邁進していくための布石でしかない。
織田信長、野口英世といった日本の偉人に始まり、ナポレオン、コロンブスといった西洋の偉人にも手を広げ、30冊近くは読んだだろうか。当然というべきか、その中に、ガリレオ=ガリレイのものもあった。
ブレヒト 『ガリレイの生涯』 を読んで ~伝記中のガリレイをしのぶ~
子供の頃、僕は伝記を読むのが好きだった。子供向けの伝記というのは、偉人の生涯の、いわば良いとこ取りをした物なわけで、彼の生涯における正の部分のクローズアップともいえよう。多少、道徳的にまずいエピソードがあったって(信長が父親の位牌に灰を投げつけたとか)、それは彼の偉業に彩りを添えるスパイスか、または後にそれを悔いて改心し、「正しい」方向へ邁進していくための布石でしかない。
織田信長、野口英世といった日本の偉人に始まり、ナポレオン、コロンブスといった西洋の偉人にも手を広げ、30冊近くは読んだだろうか。当然というべきか、その中に、ガリレオ=ガリレイのものもあった。
手元に本がない今、詳細はもう記憶の彼方でしかないが、伝記中のガリレイは、現在一般的にイメージされているガリレイ像、科学の力で古い迷信を打破し、正しい学説である地動説をとなえたが、天動説にそのアイデンティティを依存するキリスト教会の圧力に屈し、自説の撤回を余儀なくされつつも、『それでも地球は動く』という名言を残した不屈の人として描かれていた。
伝記中...