「わが国における少年非行の特徴とその対策について述べよ。」
わが国における少年刑法検挙人員の推移は、ピークの波に分けることができる。
これらの時代の社会背景を考察し、3つの波として考えると、次のとおりである。
第1の波は、昭和26年の166,433人である。戦後の社会混乱の中、強盗や殺人などの凶悪犯罪が多発し、刑務所や少年院では過剰収容となる。食うため・生きるための非行が特徴である。
第2の波は、昭和39年の238,830人である。経済が発展し社会状況は改善されるが、その反面、地域社会の崩壊やトラブルが発生し、共働きによる親の監督の欠如などにより、少年犯罪は増える。暴行や傷害などの粗暴犯が多発し、性犯罪や年少少年層の増加が特徴である。
第3の波は、昭和58年の317,438人である。高度経済成長が続き、消費社会となる。豊かな時代となり、非社会化傾向が増し、シンナーや覚せい剤、家庭内暴力や校内暴力、暴走族の増加が特徴である。
このような少年非行の変化がみられるが、近年の少年犯罪は、年々増加傾向である。
2003年の少年・成人別刑法犯検挙人員・人口比(警視庁の統計及び総務省統計局の人口資料...