『女性保護の変遷と発展について述べよ。』
1 労働法について
日本の労働者の働き方の変遷は、明治時代の工場労働者の悲惨な働き方と、貧困からの解放から始まる。
当時は、未成年者も若い女性も、工場労働者として過酷な労働条件と劣悪な環境で、休みも満足にとれないまま長時間にわたって働くことを強いられていた。
そうした中で、最初に登場したのが、1916年に施行された「工場法」である。
その後、貧困からの解放、つまり、日本国憲法第25条の生存権の理念「すべての国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する」を基本理念とした、「労働法」が制定されることとなった。
労働法とは、労働関係を規律する法の総称である。労働法という名の法律が存在するわけではなく、主として講学上の用語として使われている。
代表的なものは、1945年に「労働組合法」、1946年に「労働関係調整法」、1947年に「労働基準法」が制定され、「労働三法」と呼ばれている。これらの法律を中心として労働法が登場することになったのである。
その後、労働者派遣法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、職安法、労組法など多くの法律が制定され、...