卵巣腫瘍とは
卵巣に発生する腫瘍は臨床病理学的に、1.表層上皮性・間質性腫瘍、2.性腺間質性腫瘍、3.胚細胞腫瘍、4.その他、に分類されている。以上の3群にそれぞれ、良性腫瘍、悪性腫瘍、および良性と悪性の中間的な性格を持つ境界悪性腫瘍が存在する。さらに、卵巣には他臓器の癌の転移が起こりやすく、この転移性卵巣腫瘍が原発巣よりも先に発見される事も多い。また、以上に加えて、真の腫瘍とは言えないが卵巣が腫大し臨床的にも重要な類腫瘍病変が存在し、子宮内膜症性のう胞や卵胞のう胞などがここに含まれる。(悪性腫瘍に関しては、卵巣癌患者の標準看護計画を参照。)
アセスメントの視点
卵巣腫瘍の患者は、術前に良性か悪性か鑑別することが困難な場合もあり、疾患や手術に対する不安を抱えていることがしばしばである。また、女性性器の変容に対する不安、挙児を希望する女性にとっては妊娠の可否に対する不安、身体的機能の変化・社会的役割に及ぼす影響に対する不安など、精神面においての不安を抱えることになる。そのため、医師の説明に基づき疾患と現在の病態を理解させると共に、入院や手術に伴う不安や、退院後への不安や悩みに対し、...