抗生物質・抗菌剤
この項では、各種抗生物質ならびにニューキノロン系の抗菌薬について順次説明してみます。なお、抗ウイルス薬(ヘルペスや水痘などの薬)や抗真菌薬は含まず、別の項にて取り挙げていくようにします。また抗結核薬(抗生物質も含む)についても、別項で取り挙げるようにしますので御了承下さい。 【抗生物質と抗菌剤について】 抗生物質ならびに抗菌剤というのは、細菌を殺したり増殖を抑えたりする働きを持った薬のことですが、このうち「抗生物質」については、「種々の微生物種(細菌、真菌、放線菌)により生産され、他の微生物の発育を抑制し、究極的にそれらを破壊する化学物質」と定義されます。微生物が生産する化学物質というのがポイントで、フレミングが青カビからペニシリンを発見したのは有名な話ですね。 ところが最近では科学の進歩によって、微生物を介さずに抗菌力を持った薬剤を合成することが可能となり、こうした化合物では抗生物質の定義から外れるために、「抗菌剤」という呼び方をすることもあります。さらに厳密に言えば抗生物質も抗菌剤に含まれることになり、これらを一まとめに「抗菌剤」と呼ぶことも多いものです。 本項...