パーキンソン病の薬
今回はパーキンソン病に用いられる薬について説明してみましょう。 【パーキンソン病とパーキンソン症候群の違い】 まず最初に確認しておく必要があるのが、“パーキンソン病とはいかなる病気なのか?”という点です。よく一般に耳にする言葉として、パーキンソン病以外にパーキンソン症候群(あるいはパーキンソニズム)という言葉がありますね。ともすれば、これらは同一の概念として捉えられてしまいがちですが、実際には異なる観点からみた呼び名と考えて下さい。このことは、後述する薬物療法を理解する上でも、確認しておかなければいけません。 まず、パーキンソン病についてですが、これは中脳にある黒質という組織が変性してしまって、ドーパミンニューロンが細胞死したことにより、錐体外路系の異常を呈する疾患ということになります。こんなこと書いても、何のこっちゃサッパリわかりませんね(^_^;)。この点については後でもう少し細かく説明します。…で、あらわれてくる症状が次のようなものです。
静止時振戦 … 振戦というのは“ふるえ”のことで、これが安静時にあらわれる特徴があります。何か動作をしようとすると止ま...