脳性麻痺について
1.定義(by 昭和43年厚生省CP研究班会議)
『脳性麻痺とは、受胎から新生児期(生後4週間以内)の間に生じた脳の非進行性病変にもとづく、永続的なしかし変化しうる運動及び姿勢の異常である。その症状は2歳までに発現する。進行性疾患や一過性運動障害または正常化するであろうと思われる運動発達遅延はこれを除外する。』
疫学的な見地において脳性麻痺の発生率を見てみると、かつては出生人口1,000に対して2,0人前後と言われてきたが、産科学及び新生児医学を含む周産期医療の急速な発展により、最近では発症人口1,000に対して1,0人前後と減少傾向にある。
この背景には、①全体的な出生率の低下、②High risk babyにおける死亡率低下による痙直型脳性麻痺児の増加傾向、早期交換輸血によるアテトーゼ型脳性麻痺児の減少といった類型別発生構造の変化、③CTやMRI による画像診断の飛躍的な発展に伴う脳性麻痺との鑑別診断の進歩、などが挙げられる。
また、我が国では発症の時期を限定しているのに対して米国諸国では発症の時期を限定していない事で脳性麻痺の発生率が高くなっている。
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