妊娠で注意する薬
【はじめに】 今回は、妊娠期間中に薬を服用することの注意点について説明してみましょう。 サリドマイド禍によって、妊娠中に薬を服用することについては、一般の方々まで危険性の認識が浸透し、過剰なまでに薬を拒絶する傾向もあるように思います。ここのところ、薬剤による催奇形性というのは聞かれなくなってきており、この一因としては、上記のように一般の方々に、リスクの意識が浸透している点も大きいかと思われます。この点は非常に良い事だと個人的には思っています。 ところで、「では本当に薬は、やはり催奇形性のリスクがあるの?」という点ですが、実際には一部の薬を除いて、それほどリスクはないと言えます。というのも、サリドマイド禍以降、新薬の開発に際しては催奇形性を調べる動物実験は徹底されており、危険性は殆どといっていいほどチェックされている筈なのです。 しかし、「絶対」という事がないのが生命の難しいところ…。余談ですが、学生時代の友人が「絶対ということは、絶対に存在しない!」と豪語しており、「おいおい、それってどっち?」という話をしたことがあります。動物実験で問題がなければ、ヒトでも絶対大丈...