心嚢穿刺(心嚢ドレナージ)
目的
心嚢穿刺は胸部外傷、開心術後、悪性疾患、腎不全などにより心嚢内に血液や心嚢液が貯留し心タンポナーデに陥った場合、心嚢に貯留した液の性状を検査する診断的目的、心タンポナーデに対するドレナージ治療のための治療的目的で行われる。また、出血性の心タンポナーデでは、緊急手術までの救命処置として行われることもある。いずれにしても心嚢穿刺は緊急性の高い処置であり、適切な処置により劇的な症状改善が得られる一方、処置の遅れや手技的な誤りが死につながる危険もあるため、処置前後を通して患者の血行動態、症状の変化を観察する必要がある。
適応
心嚢ドレナージは心嚢内に血液、漿液ま...