神経細胞の神経繊維のある部分に興奮が生じると、そこを中心として、両側の軸索を伝わるように、興奮が伝導されていく。
その興奮の伝導は、無髄神経繊維においては、軸索に沿って、順に伝わっていくが、
有髄神経繊維においては、髄鞘が絶縁体としてはたらくため、ランビエ絞輪から、次のランビエ絞輪へと跳び越えて伝わる。これを跳躍伝導という。
こうして、伝わった電気信号、すなわち興奮が、次の神経繊維とのシナプスにくると、神経繊維の末端から、アセチルコリンなどの化学物質、すなわち、神経伝達物質が分泌され、それが隣接する神経細胞を刺激して、興奮を発生させる。
このように、興奮はシナプスを介して、ある細胞から次の細胞へと伝達される。
① 神経細胞のつくり
神経細胞はニューロン(神経単位)ともいい、突起を持った細胞である。
核のある部分を細胞体といい、長く伸びた突起を神経繊維(もしくは軸索)といい、
短い枝分かれした突起を樹状突起という。
脊椎動物の神経繊維は、ふつう、髄鞘でおおわれており、ところどころ、ランビエ絞輪とよばれる、ところどころ神経繊維の表面が裸出した髄鞘のくびれ部分がある。
このような髄鞘でおおわれた神経繊維を有髄神経繊維といい、髄鞘を持たない神経繊維を無髄神経繊維という。
また、神経繊維の末端は、ほかの神経細胞や受容器細胞、あるいは効果器の細胞とわずかな隙間を介して接しており、この部分をシナプスという。
② ...