第一章ミクロ動機とマクロ行動

閲覧数1,173
ダウンロード数0
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員1,650円 | 非会員1,980円

    資料紹介

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    第一章 ミクロ動機とマクロ行動

    ■問いの提示 

    筆者がある講演を行った際、前列の12列まではだれも座っておらず、13列より後ろの24列は埋まっていたという状況があった。これは座席の指定がそうなっていたからではなく、客が自発的に座席を選択した結果であった。ここでの問いは、なぜ人々はそのような席の座り方をしたのか、である。
    ■状況の絞り込み

    この席がどのような順番で埋まっていったかについては、3通り考えることができる。その3つとは、(1)最後列から埋まっていった場合と、(2)ランダムに埋まっていった場合、(3)最初に来た人が最前列を規定し、それ以降来た人がその列よりも後ろの列を埋めていった場合である。このうち、(3)は偶然に過ぎないため不適切である。(3)が成立するためには観客の人数を把握したうえで最初の列を選択しなければならない。
    ■問いの意義

     この現象に関心をもつ理由は二つある。一つ目の理由は、主催者側としては前列に観客が座ることが望ましい場合、観客が自発的に前列に座るようにすることができるのかどうかを知るためである。ただし、観客が後列に座ることを望んでおり、その座り方に満足...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。