共謀共同正犯論

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    共謀共同正犯論 実行共同正犯についてのまとめ        
    (イ)行為共同説と犯罪共同説のアプローチ
     犯罪共同説と行為共同説の対立を理解するには、「各共同正犯者の罪名をどこまでこだわるか」に尽きる。共犯を「特定」の犯罪を数人で行うものと理解する犯罪共同説の考え方を徹底すると、一個の故意犯を共同で行った場合にのみ共犯を認め、共犯が成立するためには複数の犯罪が完全に一致することが要求される(罪名従属性)。
     しかし、この考えかたを貫くと同一の犯罪を実現していないXY間では共同正犯が成立しないことになる。そこで、共同実行の事実を重視し、重い犯罪の共同正犯を成立させたうえで、軽い犯罪を犯す意思しかないYについては38条2項で軽い犯罪の刑で処断するとする考え方が出てくる。しかし、罪名と科刑を分離するのは妥当ではないし、そもそも重い罪を犯す意思がないものに重い罪で処断すると責任主義に反する。
     そこで、部分的犯罪共同説が出てくる。つまり、犯罪共同説に立脚しつつも各共同者の罪名が完全に一致する必要はなく、異なる犯罪の間でも構成要件が重なり合う言動で共犯の成立を認める見解である。
     近時部分的犯罪...

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