個別援助技術の展開

閲覧数6,537
ダウンロード数16
履歴確認

    • ページ数 : 9ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

     「個別援助技術(ケースワーク)の展開過程について述べなさい。」
    1 ケースワークとは
    ケースワーク(個別援助技術)は、心理的・社会的な生活課題を抱えている個人や家族に対して、その課題を解決するために個別的に援助する技術である。ケースワークは、クライエントとケースワーカーとの専門的で信頼的な人間関係のうえに成立する。
    2 個別援助技術の展開過程。
    個別援助技術の展開過程では、これまで診断主義の立場を取り入れながら、援助の展開過程は,①受理(インテーク)、②調査(ケース・スタディ)、③社会診断、④社会治療という区分で紹介されてきた。また、ほかに機能主義のようなワーカーとクライエントとの関係の活動に重点をおいて、①初期の局面、②中期の局面、③終結の局面という時間的経過による区分もある。しかし、近年は生活モデルの視点から、個人の問題解決能力と取り巻く環境を重視した、より拡大された援助展開がみられるようになってきた。ここでは、①援助の開始期(インテーク・アセスメント・プランニング)、②援助の展開期(インターベンション・モニタリング)、③援助の終結期に区分してまとめる。
    Ⅰインテーク(受理)
     個別援助はインテークによって開始される。「受理」と訳せるが、事務的な受付と区別するためインテークと言う言葉が使用される。インテークは通常、問題が持ち込まれた時点で面接するという形式で行われる。この際の面接は、1回ないし数回で終了するのが普通である。問題の持ち込まれる状況には、利用者本人からの相談の場合もあるが、家族や近隣、関係者からの相談、専門機関からの紹介・通告の場合もある。利用者以外からの相談の場合は、援助利用の意志を形成することもこの段階の課題となる。
     援助を必要としている人は、二重の大きな不安を抱えている。一つは、直面する問題からもたらされる不安。もう一つは、相談を持ち込もうとしている機関の職員が対応してくれるかどうかの不安。援助者はインテーク段階での利用者の話を「傾聴」し、この不安を解消することから始めなくてはならない。
     インテーク段階での留意点であるが、不安を和らげるための安易な励ましや請け負いである。安易な励ましや請け負いは、過度の依存や、問題解決が上手くいかなかったときの援助者や機関に対する不信につながる可能性がある。問題解決の主役はあくまでも利用者であることを常に意識しておくことが重要である。
     インテークの段階で行うことは以下のことがある。①情報収集と問題の明確化、②役割とサービスの明確化、③他機関施設への送致・紹介、④援助担当者との引継ぎなどがこの段階での作業となる。
    Ⅱアセスメント
     アセスメントは、問題解決に対する援助を始めるにあたっての事前評価である。この事前評価では、様々な問題のなかから個別援助の対象とする問題を選定するために、資料の収集と分析が行われる。解決すべき問題は、当初利用者が持ち込んできた問題とは異なる場合がある。対応する現象は同じだったとしても、それを引き起こす原因となっている問題は利用者の理解とは異なったところにある場合などが、その例にあたる。
     アセスメントの段階で行うことは以下のことである。①利用者の理解、②利用者の家族の理解、③利用者を取り巻く環境に関する情報収集、④エコマップの作成がこの段階での作業となる。
    Ⅲプランニング
     プランニングは、援助の具体的方法を選定し、実施計画を立て、当面の目標を設定する作業である。援助者は、アセスメントにおいてもプランニングにおいても、利用者の参加を促す必要が有る。利用者自身が

    タグ

    環境情報社会問題援助家族ケースワーク課題

    代表キーワード

    環境

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

     「個別援助技術(ケースワーク)の展開過程について述べなさい。」
    1 ケースワークとは
    ケースワーク(個別援助技術)は、心理的・社会的な生活課題を抱えている個人や家族に対して、その課題を解決するために個別的に援助する技術である。ケースワークは、クライエントとケースワーカーとの専門的で信頼的な人間関係のうえに成立する。
    2 個別援助技術の展開過程。
    個別援助技術の展開過程では、これまで診断主義の立場を取り入れながら、援助の展開過程は,①受理(インテーク)、②調査(ケース・スタディ)、③社会診断、④社会治療という区分で紹介されてきた。また、ほかに機能主義のようなワーカーとクライエントとの関係の活動に重点をおいて、①初期の局面、②中期の局面、③終結の局面という時間的経過による区分もある。しかし、近年は生活モデルの視点から、個人の問題解決能力と取り巻く環境を重視した、より拡大された援助展開がみられるようになってきた。ここでは、①援助の開始期(インテーク・アセスメント・プランニング)、②援助の展開期(インターベンション・モニタリング)、③援助の終結期に区分してまとめる。
    Ⅰインテーク(受理)
     ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。