多様な運営参加への機会―自主運営にむけて―
総合型スポーツクラブは、「自主運営」を基本として、住民主導型のクラブであるということは先に述べた。住民に多様な運営参加への機会を与えることは、このようなクラブの実現に向けてとても重要な意味を果たしてくる。
総合型クラブの運営には様々な参加の仕方がある。まず運営委員会など、クラブ全体の運営の参加がある。さらに総合型クラブを構成する個々の種目別クラブへの運営への参加というのも考えることができる。これはボランティア的な裏方として参加協力するような仕組みである。
また、運営そのものではないが、普段利用しているスポーツ施設やクラブハウスの整備、清掃など参加の一形態といえよう。そして討議の場など、クラブ運営に対する意思表明のしくみづくりも間接的な参加につながる。
こうした多様なシステムを整備することによって、より多くのメンバー参加による自主運営が可能になるのではないか。このような参加は負担も大きいが、積極的な参加によって、メンバーシップが強化される。自発的な参加によってメンバーシップが高まるということは、注目すべきことである。
レポート、経営学、スポーツ、総合型スポーツクラブ、スポーツマネジメント
地域スポーツクラブのマネジメント
総合型スポーツクラブがこれから発展していくためにはどうしたらよいか、現在の課題と共に考えた。
経営資源の調達
総合型スポーツクラブが今までのクラブと大きく異なる点は、クラブが事業を企画し、それに必要な資源を調達し、実施するという点にある。つまり自主運営である。とりわけ経営資源は事業の質や量に直接影響するだけではなく、クラブの存続や発展を左右する重要なものである。総合型スポーツクラブが資源をどのように調達するか、これは今後のクラブ運営に大きく影響するのである。
経営資源をめぐる問題として、「過度の行政依存」があげられる。補助金がなくなって、行政担当者がいなくなったら、クラブがなくなってしまった・・・これはよくある話である。「行政主導型」のクラブは資源のほとんどを行政に依存している。依存している間は、住民の負担は少なくて済むが、住民が自分たちで作り上げていく、という総合型の理念は実現されない。クラブ作りの初期段階では、資源不足に悩まされるが、住民主導による自主運営のクラブをめざすには、早い段階から適正な資源の配分と住民主導による資源調達を目指すことが、今後...