ここ数年、軽度発達障害児(者)の支援がクローズアップされてきた。医療・教育・福祉、労働機関それぞれが援助の方法を模索し実践している。
効果的・効率的な支援を目指すのであれば、各機関が手を取り合う必要がある。システム全体の機能が、効果的に働く場合と、抑制的に働く場合など、機能のあり方を明確化していき、そこにどんな特徴があるのかを見ていくことにする。
私は、各機関の「支援システム」が「協働」していくあり方に注目した。
現在、社会の中においての軽度発達障害児(者)の生涯発達支援という視点から支援が動き出そうとしている。その中で、医療関係においては、精神保健福祉士が、児童福祉関係では、児童福祉士・保育士などが、成人の福祉領域では、社会福祉士などが地域生活支援専門のコーディネーターとして、教育の分野においては、障害児教育の専門知識のある教師が特別支援コーディネーターとして機能しはじめている。いずれも、地域コーディネーターとして、「つなぐ」役割を持っている。
軽度発達障害(児)者の生涯発達における各機関の「協働」において、互いに異なった機関の専門職がどの様な取り組みで機能すればよいのか。「認識の仕方」キーポイントに、効果的・効率的な支援の仕方を考察していく。
仮説として取り上げたものは、1.お互いの立場に立ち支援することで機能的に働く。2.ライフステージ全体を考えること3.相手の立場に沿った「認識の仕方」が必要である。とした。
第1章では、「協働」は過去に、どんな使われ方をされたかを見ていく。さらに、特別支援教育・発達障害者支援法の下での「協働」のありかたを、第2章では、生涯発達において「協働」することの意義を述べている。ここでは軽度発達障害児(者)の定義をふまえて、学校教育・就労、生活についての課題も提示している。
軽度発達障害児(者)の生涯発達支援における「協働」のあり方についての研究
軽度発達障害児(者)の生涯発達支援における「協働」のあり方についての研究
はじめに ・・・・・・・2
問題の所在と研究の目的 ・・・・・・・4
第1章 「協働」とは
第1節 「連携、協力、協働」 ・・・・・・・6
第2節 特別支援教育から見た「協働」のあり方 ・・・・・・・8
第3節 発達障害者支援法から見た「協働」のあり方 ・・・・・・・10
第2章 軽度発達障害児(者)の生涯発達支援の「協働」のあり方
第1節 軽度発達障害児(者)とは ・・・・・・・12
第2節 軽度発達障害児(者)の学校教育における課題 ・・・・・・・17
第3節 軽度発達障害児(者)の就労・地域生活をめぐる課題 ・・・・・・26
第3章 学校教育における発達支援のための「協働」のあり方
第1節 就学前から就学にかけて ・・・・・・30
第2節 義務教育段階における発達支援 ・・・・・・31
第3節 義務教育終了後における教育機関...
ただ、まとめ方や 体裁など かなり参考になりました。