資料:2件
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メディアリテラシーの必要性について考える
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メディア・リテラシーの定義は、さまざまである。まず、カナダのメディア・リテラシー協会における定義をみてみる。それによると「メディア・リテラシーとは、メディアはどのように機能するか、メディアはどのように意味をつくりだすか、メディアの企業や産業はどのように組織されているか、メディアは現実をどのように構成するかなどについて学び、理解と楽しみを促進する目的で行う教育的取り組みである。メディア・リテラシーの目的には、市民が自らメディアを創りだす力の獲得も含まれる」そうだ。水越伸氏は、次のように定義している。「メディア・リテラシーとは、人間がメディアに媒介された情報を構成されたものとして批判的に受容し、解釈すると同時に、自らの思想や意見、感じていることなどをメディアによって構成的に表現し、コミュニケーションの回路を生み出していくという、複合的な能力のことである」(水越伸:2002:92)。つまり、メディア・リテラシーとは、ひと言で言えば、メディアが形作る「現実」を批判的に読み取るとともに、メディアを使って表現していく能力のこと、またその能力を高めようとする取り組みだといえるだろう。
では、なぜ現在メディア・リテラシーが必要とされているのだろうか。2000年のNHK国民生活調査によれば、日本人が平日にテレビを見る時間は平均3時間25分である。仮に75年間このペースで過ごせば、人生のまる10年間以上をテレビだけを見て過ごす計算になる。新聞・雑誌、映画、ラジオはもちろん、インターネットのホームページを見る時間などを加えると、私たちがメディアに接触している時間はもっと長くなるはずだ。私たちは人生の大半をメディアとともに過ごしていると言っても過言ではないのである。それはつまり、私たちがいかに多くの情報を受け取っているかということを示すものでもある。
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