「子どもの「不適応行動」について述べよ。」
現在、日本の解決すべき問題には、いじめ、不登校、自殺、犯罪など、子どもたちの問題で溢れている。子どもたちは何を訴えているのだろうか。
健康とは、WHOの概念によると、「身体的・精神的・社会的に良好な状態であり、単に疾病・病弱の存在しないことではない。」とある。心の健康を考えるとき、いじめ、不登校、自殺、犯罪といった行動は明らかに精神的・社会的に不健康であるといえる。
適応とは、生活と環境とが調和した関係を保つことをいう。例えば、幼児が遊んでもらいたくて母親にいろいろな働きかけをしたとき、母親がその子どもの働きかけに応じたときが適応状態で、無視されたときが不適応状態である。そして不適応状態の場合では不満が生じ、幼児はおもちゃを母親に投げつけたりする。
この例は幼児であるが、子どもや私たち大人の日常生活においても、同じように不適応状態はある。つまり、人間は誰でも不適応状態を体験し、欲求不満を感じているのである。欲求が何の障害もなく、すべてにおいて充足されることは、むしろまれなことであり、現実ではさまざまな障害や困難のために欲求が妨げられることのほうがむしろ多い。これら欲求不満に対して、人々は自分を環境からの要請に適合するように変えたり、環境を自分に適合させるように働きかけたりして適応していく。このように心のバランスをはかるために、無自覚的に「適応機制(防衛機制)」という心の機能を働かしている。
しかし、強いストレスや、改善困難な状況に置かれると、耐えうる能力(耐性)を超え、適応機制が働かない場合がある。これを適応障害(不適応)、仕事や学業などの継続困難、情緒的な混乱、身体の不調など、様々な症状が現れる。
子どもの適応障害(不適応)による不適応行動について、主に以下の5つが挙げられる。
1いじめ
集団による個人への長期にわたる暴力、排斥、金品の要求、あるいは非行の強要などがいじめと呼ばれる。いじめはストレスのはけ口であることが多く、いじめている生徒、または学級全体のストレスが原因で起こると言われている。そのストレスは人それぞれ違い、成績至上主義の教育方針かもしれないし、教師の体罰や、学校だけでなく、家庭であるかもしれない。いじめている側の子どもに罪悪感がないことが多く、しかも教師や親はいじめの存在を知らないことが多いようだ。
いじめの存在を教師や担任教師はできるだけ早期発見できるよう心がけ、そして対処できる力を持っていなければならない。いじめによる自殺が年々増えてきている。ましてや、小学生のいじめによる自殺が増えてきていることもあり、教師の力量は問われてくる。また、自殺だけでなく、殺人に発展することもある。いじめグループのメンバーが、シンナーを乱用していたり、暴力団と関係があったりすると、いじめが殺人に発展する可能性はある。教師は命を預かる仕事であるといってもいいのかもしれない。教師の早期発見や対処、対処の仕方によって、いじめが防げたり、防げなかったりするだろう。いじめている生徒も、見ているだけの生徒も、いじめられている生徒の気持ちや感情を理解できるよう努めることが必要である。
2不登校
病気・障害や経済的理由を除く理由で、年間30日以上欠席している児童生徒のことを不登校児童生徒という。中学生の36人に1人が、何らかの理由で学校を長期欠席していると言われている。学校に行きたいのに、登校時刻になると、頭痛や腹痛が起こって登校できない。ほとんどは、登校時刻を過ぎると苦痛も消えて回復する。不登
「子どもの「不適応行動」について述べよ。」
現在、日本の解決すべき問題には、いじめ、不登校、自殺、犯罪など、子どもたちの問題で溢れている。子どもたちは何を訴えているのだろうか。
健康とは、WHOの概念によると、「身体的・精神的・社会的に良好な状態であり、単に疾病・病弱の存在しないことではない。」とある。心の健康を考えるとき、いじめ、不登校、自殺、犯罪といった行動は明らかに精神的・社会的に不健康であるといえる。
適応とは、生活と環境とが調和した関係を保つことをいう。例えば、幼児が遊んでもらいたくて母親にいろいろな働きかけをしたとき、母親がその子どもの働きかけに応じたときが適応状態で、無視されたときが不適応状態である。そして不適応状態の場合では不満が生じ、幼児はおもちゃを母親に投げつけたりする。
この例は幼児であるが、子どもや私たち大人の日常生活においても、同じように不適応状態はある。つまり、人間は誰でも不適応状態を体験し、欲求不満を感じているのである。欲求が何の障害もなく、すべてにおいて充足されることは、むしろまれなことであり、現実ではさまざまな障害や困難のために欲求が妨げられ...