差動増幅回路
11月9日
[実験目的]
差動増幅回路の入出力特性及び周波数特性を測定し、その特性と動作を理解する。
[理 論]
図1は、差動増幅回路の原理図である。その動作は、トランジスタ TR1,TR2それぞ
れに入力の電圧の差が増幅されて出力される増幅回路で種々の特性を備えている。
今、TR1,TR2 の増幅度を A1,A2 とし、各入出力電圧を図 1 に示したよ うにそれぞれ Vi1,Vi2,VO1,VO2 とすると、
入力端子 1・2 間からみた入力電圧 Vi は、 Vi = Vi1 - Vi2
出力端子 3・4 間からみた出力電圧 VO は、 VO = VO1 - VO2
で表すことが出来る。従って、
VO1 = Vi1・A1
VO2 = Vi2・A2
より、
VO = Vi1・A1 - Vi2・A2
となる。
増幅度 A1,A2 が等しいとすると、 VO = ( Vi1 - Vi2 )・A
なる式が成立し、入力電圧の差が増幅されて出力されることになる。
Vi1=Vi2 、すなわち入力電圧が同相で同振幅であれば、出力電圧は 0 となり、異なれ
ば入力電圧の差が増幅されて出力されるのが差動増幅器である。
従って、電源電圧の変動、外来雑音等があってもこれらが同相であれば出力されない
ことになる。これは、電源電圧の変動に対しても安定に作動し、信号対雑音比(S/N)
も良くなることを意味し、入力電圧が小さく、電圧変動、雑音の影響を受けやすい場合
には、有効な回路となる。
[使用機器]
差動増幅回路実習装置 1
直流安定化電源 1
直流電流計 (mA) 2
デジタルボルトメ-タ- 1
AC ボルトメ-タ- 2
低周波発振器 1
[実験方法]
1.入力電圧-出力電流特性
実習装置の出力端子 5 , 6 、11 , 12 に直流電流計を接続し、出力端子
7 ,9 間にデジタルボルトメ-タ-を接続する。
デジタルボルトメ-タ-は、 RANGE を AUTO、FUNCTION を V 、DCにし、端 子 7 , 9 は COM 端子と V、Ω 端子に接続する。
(2)デジタルボルトメ-タ-と実習装置の電源を入れる。
入力端子 1 , 3 を短絡し、実習装置中央下部のツマミで VR1 を調整して、
デジタルボルトメ-タ-の値が約 0.00 となるようにする。
(4)(2)の短絡をはずし、7 , 9 間のデジタルボルトメ-タ-を入力端子 1 ,3
に接続し、直流安定化電源(- 1V から測定するので、はじめは -電源を使
用する)を 2 , 4 に接続(- をア-ス側つまり 4 につなげる)し電源を入
れる。
入力電圧を直流安定化電源のツマミで - 1V ~ 0 ~ + 1V に変化させ(デジタルボルトメ-タ-で観測)、この時の出力電流を直流電流計により値を読む。
変化の有無にかかわらず測定すること。
- 500~+ 500 までは 50V 間隔で、その他は 100V 間隔で行う。
端子 5 , 6 を Ic1 、端子 11 , 12 を Ic2 とする。
*0~1000mV 測定時の接続
(-1000mV~0 の測定時は直
差動増幅回路
11月9日
[実験目的]
差動増幅回路の入出力特性及び周波数特性を測定し、その特性と動作を理解する。
[理 論]
図1は、差動増幅回路の原理図である。その動作は、トランジスタ TR1,TR2それぞ
れに入力の電圧の差が増幅されて出力される増幅回路で種々の特性を備えている。
今、TR1,TR2 の増幅度を A1,A2 とし、各入出力電圧を図 1 に示したよ うにそれぞれ Vi1,Vi2,VO1,VO2 とすると、
入力端子 1・2 間からみた入力電圧 Vi は、 Vi = Vi1 - Vi2
出力端子 3・4 間からみた出力電圧 VO は、 VO = VO1 - VO2
で表すことが出来る。従って、
VO1 = Vi1・A1
VO2 = Vi2・A2
より、
VO = Vi1・A1 - Vi2・A2
となる。
増幅度 A1,A2 が等しいとすると、 VO = ( Vi1 - Vi2 )・A
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