明治時代から第一次世界大戦までの産業発展のプロセスと特徴は、連続・不連続がある、日本独特の産業革命であるといえる。
資本主義生産の初期段階の工場制手工業は、手労働に基本的に依拠していたために生産力も低く、多くの在来産業である問屋制家内工業や小生産者の存在を許している状態であった。
全生産を、あるいは全社会的に資本主義が支配するには、なお決定的は契機を必要としたのである。
産業革命は生産技術の上での大きな変革である事を意味するのみにならず、いまひとつ重要な点は、資本主義が資本の本源的蓄積の段階から一歩抜きんでて産業資本主義段階に移行し、経済的基礎を決定的ならしめたという意義を持つのである。
産業革命は、錦糸紡績業などの最低必要資本量の小さい消費資料生産部門から始まる。
そして、徐々に近代産業である機械工業や鉄鋼業といった、最低必要資本量の大きい多くの労働者を雇用する部門へと波及して行った。
これによって、在来産業はほぼ一掃され、全社会規模で資本制生産が確立し、近代産業が発展していくことになる。
大石喜一郎は、産業革命―産業資本確立の典型的規定から特殊日本への適用をするさい...