資料:3件
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失語症
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1 はじめに
失語症とは、脳梗塞や脳腫瘍、交通事故等による脳内出血などの脳損傷の結果、他者との自由な言葉のやり取りに困難をきたすようになる状態を指す。このような症状に見舞われた患者の大半は、他者とのコミュニケーションが急激に困難になる事によって大変な精神的負担と社会的困難に直面している。この困難さを理解することは私たちが普段使用している言語の重要性について再認識することができるのではないだろうか。本稿ではいくつかの代表的な失語症の特徴とその原因について簡潔に述べ、その後に失語症患者の社会的立場と心理的状況について考察した後、最後に精神的ケアの重要性と社会復帰するために周囲の人間に何が出来るかということについて考察する。
2 失語症とは
失語症患者が自ら話すときに現れる症状と、相手の話を聞く際に現れる症状を観察し、その障害が言語機能のどの領域に属するのかを判断することが出来る。その障害の様子は多岐に渡るのだが、最も大きく分けると、情報を相手に伝えること(話すことや書くこと)と情報を相手から受け取ること(聞くことや読むこと)、そしてその両方が出来なくなることである。本章では三つの代表的な失語症について検討し、失語症になることでどのような問題があるのかについて比較検討してゆく。
2-1情報を相手に伝える失語
情報を相手に伝える失語としてブローカ失語が挙げられる。これはフランスのポール・ブロカ医師によって確認された、言語表現の種類が極端に減少し意図する音の組み立てや発音が極めて困難になる症状を指す。このような症状はブローカ失語と呼ばれ、聞くことは比較的良好なのではあるが、大脳左半球前方のブローカ言語野と呼ばれる部位に何らかの損傷が認められる場合が多い。話そうとする単語を思い出せない(喚語困難)場合が非常に多い。加えて韻律の障害もよくある現象である。
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論文
社会・福祉学
失語症
全失語
ブローカ
ウェルニケ
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失語症病態レポート 8ページ
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1. 言語障害の種類
言語障害といっても、その内容はさまざまである。神経症候として重要なのは構音障害dysarthria、anarthriaと失語「症」aphasia、dysphasiaである。この両者は必ず鑑別すべきものである。構音障害というのは、発語に関係する神経や筋肉の障害によって起こり、うまくしゃべれないということである。患者自身は言葉の理解も正常で、いうことも、考えていることも正常であるが、思うように発語できない。書字、読書に関しては異常がない。声帯の障害で声が出ないのを失声aphoniaという。一方失語「症」は、発語に関する筋や末梢神経には異常がなく、知能や意識の低下もなく、聴力の障害もないのに言語による表現や文字の理解ができないものをいう。
その他、意識は清明で、構音障害と失語「症」もないのに全くしゃべらないのを無言「症」mutismという。ヒステリーなどの精神障害者にみられる。また眼を開いているが、全く無言で、随意運動もせず横たわっている一種特有な意識障害の状態を無動性無言「症」akinetic mutismといい、網様体賦活系の部分的障害などによって起こる。
同じ
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