先天性眼瞼下垂という疾患は、未だ認知度の低い疾患である。この疾患を持って生まれた子の母親は いかにしてこの病気と向き合うのかを グループインタビューの結果を元にまとめ、その疾患の理解への一助となるべき方策についても考察を加えた修士論文である。
先天性眼瞼下垂患児を持つ母親の心情の経過と
インターネットを活用したサポートの効果
放送大学大学院 文化科学研究科
生活健康科学プログラム
2010年 12月
修士論文要旨
先天性眼瞼下垂患児の母親の抱える心情の経過と
インターネットを活用したサポートの効果
希少性の疾患を持つ患者やその家族は、十分な情報を得ることが困難であり、また身近に悩みをわかちあう者がいないことで孤独に陥りやすい。
本研究では、このような動向の中、先天性眼瞼下垂の母親を対象とした調査をおこない、疾患に直面してから、実際にその治療に向かう過程において、母親の心情についての調査をおこなった。
方法として、①インターネット(以下web)上の「先天性眼瞼下垂」情報サイトおよびSNSの利用者へのwebアンケートの実施 ②実際にwebの情報を得ている人に対し、この疾患において不安を増大させやすい3つの時期(出生時、手術前後、就学前後)に相当する3つのグループに対し、インタビューを実施した。
結果は①では患者の母親が病院からの説明以上に、webの情報を積極的に収集しており、疾患の知識を得ようとしてい...