商流は、交換における取引の流れと定義できる。基本的な概念は交換を円滑にすることである。取引は生産から消費までの流通システムの中で展開される、所有の移転(貨幣の支払い)を伴う、モノ、サービス、アイディアの交換とその過程である。貨幣を仲介とした流通、お金の流れを信用流通という。戦略マーケティング戦略の視点から見ると、商流はマーケティング・チャネル・システムの概念に変化してきている。流通構造は製造-卸売業-小売業-消費者の流れ(流通チャネル)として捉えられ、様々な要素を勘案しながら流通チャネルをシステム化している。
戦前は市場も未熟で卸売業の力が強かったが、戦後は物不足によりモノ作りの機能が重視され、製造業の力が大きくなった。製造業が重視するのは末端価格・ブランド力の維持である。製造業は末端の小売または消費者までのコントロールに企業努力を注入することとなり、自社の事業戦略が隅々までに及び、最大利潤を得ることができた。商流システムを自社の意志の通るチャネルとするマーケティング戦略を採用するようになり、流通システムが系列化され始めたのである。商流は単なる取引の流れではなく、意志を持つマーケティン...