現在、少子高齢化、核家族化の現象によって、世代間でのコミュニケーションを行う機会が減少している。共働きの両親をもつ子どもたちも増えており、食事を一人でとることもある。これらから、大人と子どもたちの関わりが減り、それと共に、子どもたちの間違った言葉遣いや乱暴な表現を注意する機会も減ったと考えられる。ここでは、日常生活における児童の言葉の問題点を挙げ、国語教育とどうかかわるかを具体的に述べていく。上記で述べたことは、相手や場面に応じた言葉遣いとしての敬語表現が深く関連している。次に、敬語について考察していく。
<敬語と敬語法について>
敬語表現とは、コミュニケーションにおいて、相互尊重の精神に基づき、相手や場面に配慮して使い分けている言葉遣いを意味する。それらは、話し手が相手の人格や立場を尊重し、敬語や敬語以外の様々な表現からその時々にふさわしいものを自己表現として選択するものである。
日本語の敬語は、日本の社会や文化のあり方を言葉遣いの上に反映するものであり、日本人の言語生活に重要な位置を占めている。また、日本語の敬語は、一般に三種類に分類される。相手を尊敬する言い方の「尊敬語」、...