わらわれに見えているままの世界と物理的世界とは同じではない。このことを端的に示す事実のひとつとして、いわゆる錯視現象がある。そこでは、知覚的に見られた関係と物理的に測られた関係とが一致しないことが問題となる。このような不一致の程度(錯視量)調べることを目的にミュラー・リヤーの錯視図を用い、調整法によって錯視量を測定した。
2. 対象と方法
(1) 実験日時
2006年10月22日 午前に行った。
(2) 対象
対象者は成人女性1名であった。
(3) 実験装置
鋏辺45mm、鋏角30°、主線10cmのミュラー・リヤーの錯視図スケール付(竹井機器工業株式会社:図1)を使用した。
(4) 実験手続
比較刺激(Ss)である外向図形の主線の長さを被験者自身が(ロ:図1)を左右に静かに動かすことによって調整し、標準刺激(Ss)である内向図形の主線と等しい長さに見える点を求める被験者調整法で行った。裏面のものさしによってそのときの外向図形の主線の長さを測定した。測定は、Ssの長さの調整方向については、Scの主線がSsのそれよりも明らかに短く見える点から徐々に長くして、主観的評価点(point of subjective equality;PSE)
ミュラー・リヤーの錯視
目的
わらわれに見えているままの世界と物理的世界とは同じではない。このことを端的に示す事実のひとつとして、いわゆる錯視現象がある。そこでは、知覚的に見られた関係と物理的に測られた関係とが一致しないことが問題となる。このような不一致の程度(錯視量)調べることを目的にミュラー・リヤーの錯視図を用い、調整法によって錯視量を測定した。
対象と方法
実験日時
2006年10月22日 午前に行った。
対象
対象者は成人女性1名であった。
実験装置
鋏辺45mm、鋏角30°、主線10cmのミュラー・リヤーの錯視図スケール付(竹井機器工業株式会社:図1)を使用した。
実験手続
比較刺激(Ss)である外向図形の主線の長さを被験者自身が(ロ:図1)を左右に静かに動かすことによって調整し、標準刺激(Ss)である内向図形の主線と等しい長さに見える点を求める被験者調整法で行った。裏面のものさしによってそのときの外向図形の主線の長さを測定した。
測定は、Ssの長さの調整方向については、Scの主線がSsのそれよりも明らかに短く見える点から徐々に長くして、主観的評価点(point...