「精神科リハビリテーションの構成について述べよ。」
1.はじめに
精神科リハビリテーションの構成要素は、①対象、②方法と技術、③展開の場、④目標が考えられる。リハビリテーションは、国際的には1990年に入って精神病対策の3大要素として「予防」「治療」「リハビリテーション」とされ、それぞれが独立した対等な関係が確立されてきている。ここでは、リハビリテーションの対象、基本的アプローチと方法・技術、専門職の役割の観点から考察することとする。
2.精神科リハビリテーションの対象
精神科リハビリテーションの対象は、精神障害者(精神保健福祉法の定義)と診断され、長期入院の果てに施設症となった人々、再発を繰り返し結果的に入退院を繰り返さざるを得ない人々、社会的役割が果たせずに保護的生活を継続している人々などである。具体的には、生活の場において長期にわたり複数の「生活の困難」や「生活のしづらさ」をもち、社会参加や活動に制限のある人々であるといえる。対象となる人の判断は、近年障害者本人の希望、自己実現に向かう際に必要とされる専門的支援の方法としてリハビリテーションが位置づけられるようになってきている...