「障害者福祉の理念について述べよ。」
1.障害者福祉の基本理念
現在、障害者自立支援法の施行により、日本の障害者福祉は法律・サービス・対象などほぼ全面にわたって大きな展開をみせている。
障害者福祉の基本理念、つまり考え方は「障害者を人として尊重し、その能力を十分発達できるように助け、障害のない人と共に生き、住みなれた地域のなかで充実した人生を築き上げることができるように支援することである。今日まで障害者に対する社会の意識は、長い間差別と偏見のなかにあった。
障害者福祉の基本理念は、障害者基本法第3条に次のように規定されている。
「すべて障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活に保障される権利を有する」「すべて障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる」。
つまり、障害をもつ人が障害を理由に社会参加の機会を制約されることなく、障害をもたない人と同等に、社会のあらゆる分野に平等に参加する機会を享受するという理念である。
2.国連の動向
1948年に国連で採択された「世界人権宣言」が戦後初めて、地球上のすべての...