1.実験の目的
接合型トランジスタの静特性をエミッタ接地、ベース接地についてそれぞれ実際に測定する。また、静特性をトランジスタの直流等価回路から考える。
ベース接地電流増幅率とエミッタ接地電流増幅率の関係を求める。
最後に、エミッタ接地増幅回路について適切なバイアス点を計算により求め、実験を行い適切なバイアス設計ができるようにする。
2.実験回路解析と実験結果
実験器具
定電圧源 キクスイ電気 2台
電圧計
ミリアンペア計
マイクロアンペア計
発振器 KENWOOD AG-203D
オシロスコープ KENWOOD CS-4035
電圧プローブ KENWOOD
抵抗 実測値 30 kΩ
10 kΩ
10 kΩ
10 kΩ
2 kΩ
1 kΩ 29.97 kΩ
9.90 kΩ
10.03 kΩ
9.97 kΩ
2009Ω
1002Ω コンデンサ 許容差 1μF
1μF W
W トランジスタ 東芝トランジスタ シリコンNPNエピタキシャル型
2SC1815
実験1:エミッタ接地、ベース接地静特性をそれぞれ実測し、特性例のような結果が得られることを確認する。また、この特性と次の直流等価回路の関係を説明する。
a.理論解析
まず、エミッタ接地について考える。
エミッタ接地直流等価回路は次のようになる。
(1) 特性
ベース・エミッタ間に電圧を加えるとベース電流がどのように流れるかを示している。(入力特性)
直流等価回路から、「ベース・エミッタ間はダイオードである」ということが分かる。ダイオードは一定の電圧(0.7V程度)を超える急激に電流が流れる特性を持っている。同様に、トランジスタではベース・エミッタ間が一定の電圧(シリコントランジスタの場合は0.6V程度)を超えると急激に電流が流れ始める特性を持つことがわかる。
(2) 特性
ベース電流がコレクタ電流にどのように伝えられるかを示している(電流伝達特性)。
である。エミッタ側のダイオードは順方向、コレクタ側のダイオードは逆方向であるから、 はよく流れるが、 はわずかである。このときの の比をエミッタ接地電流増幅率という。
(3) 特性
コレクタ・エミッタ間に電圧を加えるとコレクタ電流がどのように流れるかを示している(出力特性)。逆方向のダイオードに流れる電流の量は、限界があるので を大きくしても変化しなくなる。
次に、ベース接地について考える。
ベース接地の直流等価回路は次のようになる。
(4) 特性
コレクタ電圧 を一定としたときのグラフである。
エミッター・ベース間は順方向にバイアスされている。よって、直流等価回路から、「ベース・エミッタ間はダイオードである」ということが分かる。特性はpn接合の順方向特性と同じである。
(5) 特性
で は小さく、 と がほとんど等しいため、ベース接地の電流増幅率αが1に近いことを意味している。
(6) 特性
エミッタ電流 を一定としたときのグラフである。
に関係なく の値は のみで決まる。特性より、コレクタの出力インピーダンスは非常に大きい。
b.実験回路の詳細と実験方法
エミッタ接地
(1) 特性
の値を、5V,10V,20Vと設定し、 を測定する
(2) 特性
の値を、5V,10V,20Vと設定し、 を測定する。
(3) 特性
を10μF,20μF,30μFと設定し、 を測定する。
ベース接地
(4) 特性
を5V,10V,20Vと設定し、 を測定する。
(5)
1.実験の目的
接合型トランジスタの静特性をエミッタ接地、ベース接地についてそれぞれ実際に測定する。また、静特性をトランジスタの直流等価回路から考える。
ベース接地電流増幅率とエミッタ接地電流増幅率の関係を求める。
最後に、エミッタ接地増幅回路について適切なバイアス点を計算により求め、実験を行い適切なバイアス設計ができるようにする。
2.実験回路解析と実験結果
実験器具
定電圧源 キクスイ電気 2台
電圧計
ミリアンペア計
マイクロアンペア計
発振器 KENWOOD AG-203D
オシロスコープ KENWOOD CS-4035
電圧プローブ KENWOOD
抵抗 実測値 30 kΩ
10 kΩ
10 kΩ
10 kΩ
2 kΩ
1 kΩ 29.97 kΩ
9.90 kΩ
10.03 kΩ
9.97 kΩ
2009Ω
1002Ω コンデンサ 許容差 1μF
1μF W
W トランジスタ 東芝トランジスタ シリコンNPNエピタキシャル型
2SC1815
実験1:エミッタ接地、ベース接地静特性をそれぞれ実測し、特性例のような結果が得られることを確認する。また、この特...